利下げ確約は尚早、労働市場巡るリスクは増大=米アトランタ連銀総裁

米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は7日、労働市場を巡るリスクが高まっているものの、向こう数カ月でインフレ率の上昇が予想される中、連邦準備理事会(FRB)が利下げを確約するのは時期尚早との考えを示した。2023年8月、南アフリカで撮影(2025年 ロイター/Esa Alexander)

[ワシントン 7日 ロイター] - 米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は7日、労働市場を巡るリスクが高まっているものの、向こう数カ月でインフレ率の上昇が予想される中、連邦準備理事会(FRB)が利下げを確約するのは時期尚早との考えを示した。

ボスティック総裁はフロリダ州の経済団体への発言で、年内は0.25%ポイントの利下げを1回のみ実施することが適切になるとの考えを変えていないと述べた。同時に、物価と雇用を巡る多くの経済指標が今後発表され、それに基づき双方に対するリスクの相対的なバランスを検証できると指摘。労働省が先週発表した7月の雇用統計で雇用面でのリスクがかなり高まっていることが示されたとし、「注意深く見守っていく」と語った。

7月の雇用統計では非農業部門雇用者数の伸びが予想以上に鈍化したほか、過去2カ月分の雇用者数が大幅に下方修正された。

ボスティック氏は、修正の規模が大きかったことで米経済が直面するリスクに対する考えを見直したとしながらも、インフレ懸念と関税措置による影響を巡る不確実性を踏まえ、政策を巡る見解は現時点では変えていないと言及。企業が新たな関税措置に完全に対応するには2026年半ばまでかかる可能性があるとし、関税に起因する物価上昇が一時的なものにとどまるか、持続的な物価圧力につながるかは「現時点でわれわれが直面する最も重要な課題」になっていると述べた。

ただ「経済は減速し続けると予想している」と語った。

FRBは7月29─30日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で金利据え置きを決定。据え置きは5会合連続だった。9月16─17日の次回会合では0.25%ポイントの利下げが決定されるとの見方が出ている。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab

関連記事: