ハンガリー国会、オルバン政権時代のLGBTQ差別条項を撤廃

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画像説明, オルバン前政権はプライドパレードを禁止しようとしたが、総選挙後の今年は制限なく開催された(6月27日、ブダペスト)

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ハンガリー国会(一院制、定数199)は13日、児童保護法を改正し、同性愛者やトランスジェンダーの人を差別する条項を撤廃した。性的マイノリティ―(LGBTQ)コミュニティーや活動家はこの動きを歓迎したが、オルバン政権時代の他の法律についても改正を求めている。

オルバン・ヴィクトル前首相は任期中の2021年、子どもが目にする可能性のある場所での同性愛やトランスジェンダーの描写や推進を禁止する児童保護法改正案を提出した。当時、過半数議席を占めていた与党「フィデス・ハンガリー市民連盟」が、これを可決した。

この改正は、教育や集会の権利など、他の法律にも幅広く影響を与えた。

議会が13日に可決した措置は、オルバン政権時代の立法を覆すためにまとめられた。政権を握るティサは現在、国会で3分の2以上の議席を占めている。

「この法案が採択されて本当にうれしい」と、市民権団体「ハッター協会」のタマシュ・ドンボス氏はBBCに話した。「私たちはこのいわゆる児童保護法と、5年にわたって闘ってきた。国会に提出された法案には問題点もあったが、そのほとんどは解決された」。

フィデスもティサも、自党のイメージ戦略の中心に児童保護を置いている。

オルバン氏率いるフィデスは、同性愛者やトランスジェンダーの人を公衆道徳への脅威と位置づけることで保守的な有権者に訴えかけた。一方、マジャル首相率いるティサは、完全な平等を支持するリベラルな政権だとはあえて公言しないまま、関連法規の撤廃や緩和を図ろうとしている。

オルバン氏は2025年、LGBTQの誇りを掲げる「プライド」パレードの開催を阻止すると支持者らに約束したが、首都ブダペストでの同イベントには、推定25万人が参加した。

禁止令が出ていたものの、警察はパレードを傍観した。政府は同イベントを主催したとしてブダペスト市長らを提訴したが、この訴訟は後に取り下げられた。

児童保護の問題は、オルバン氏にとって強力な切り札だった。しかし、上司の小児性加害を隠蔽(いんぺい)した罪で有罪判決を受けた児童養護施設の副所長に対する恩赦を、同政権が支持していたことが明らかになり、児童保護はオルバン氏の弱点に変わった。

マジャル氏は自分の選挙運動で、ティサを国家の保護下にある子どもの権利擁護者としてアピールした。しかしその半面、右派有権者の反感を恐れ、同性愛者やトランスジェンダーの人々の権利問題については触れることを慎重に避けた。

「私たちはまだ閉ざされた扉を叩いているようなものだ」とドンボス氏はBBCに述べた。「しかし少なくとも、向こう側で耳を傾けてくれている」 。

ドンボス氏は、オルバン政権下では自分たちが常に標的にされていると感じていただけに、政府がドアの向こうで自分たちの声を聞いてくれるだけでも、大きな改善だと話した。そのうえで、同性婚の完全な承認、同性カップルが養子を迎える権利の回復、トランスジェンダーの人々が公的書類で名前を変更する権利の回復など、引き続きその他の法改正を求めていると語った。

マジャル首相は10日のフィンランド紙ヘルシンギン・サノマットに掲載されたインタビューで、「私はとても慎重だ」と述べた。「首相として、私はすべてのハンガリー国民を代表する義務があり、性的少数者の状況など、デリケートな問題も抱えている」。

フィデスと姉妹政党のキリスト教民主党は、13日の採決で、児童保護法改正案に反対票を投じた。

キリスト教民主党はウェブサイトに掲載した声明で、「学校やメディアに、LGBTQ関連コンテンツを宣伝する余地は一切ない」と主張した。

EU、ハンガリーへの補助金解放に合意

マジャル政権は13日、欧州連合(EU)がオルバン政権末期に凍結していた42億ユーロの補助金を解放することに合意したと発表した。

欧州委員会は先月、ハンガリーが数々の「EU予算に影響を与えている法の支配への違反」に対処したと評価。凍結資金を解放し、ハンガリーを欧州全域での学生交換や研修プログラム「エラスムス・プラス」と、科学研究・イノベーション・プログラム「ホライゾン・ヨーロッパ」に復帰させるよう、加盟国首脳らに呼び掛けている。

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