【公式投稿検証】名代富士そばの提案「ラーメンに天ぷらトッピングは合う」は本当なのか?
今の時代、SNSの運用は企業広報になくてはならないものの1つだろう。より広く自社の商品や魅力について伝えられる反面、1歩間違えば炎上の危険性をはらむ難しいツールである。
企業によってはうまく使いこなしており、たとえば大手蕎麦チェーンの「名代富士そば」は、遊び心を交えつつ上手に商品の宣伝を行っている。
その富士そばが最近、「ラーメンに天ぷらトッピングは合う」と投稿していたのだ。本当? 売りたいだけでそんなこと言ってるんじゃないの? 気になったので、味をたしかめてみた!
・富士そばの投稿
「ご存じでしたか?? ラーメンに天ぷらトッピングがめちゃくちゃ合うことを」
ご存じでしたか??
ラーメンに天ぷらトッピングがめちゃくちゃ合うことを pic.twitter.com/qYTe77QpgO
— 名代富士そば【公式】 (@fujisobar) January 17, 2025
ここで言う天ぷらとは野菜かき揚げのことである。それをラーメンに乗せるだと!? そば屋がそんなこと言っていいのか? そばに乗せる方をすすめるべきではないのか? ……が、中の人は「合う」と言っているのだから、自信があってのことだろう。
とはいえ、言われたことをそのまま鵜呑みにするのも釈然としないので、実際に合うかどうかたしかめてみることにした。訪ねたのは、新宿店だ。
ちなみにラーメンはすべてのお店で提供しているわけではないので、その点に注意して頂きたい。
参考までに、店舗限定メニューは他にかつ丼・カレーかつ丼がある。さらには店舗ごとの限定メニューも多数存在するので、その点もお忘れなく。
さて、ラーメンは「昔ながらのラーメン」(税込530円)、「煮干しラーメン」(税込580円)、「大地の味噌ラーメン」(税込580円)の3種類ある。
注文したのは、「煮干しラーメンミニカレーセット」(税込830円)。それに今回の主役でもある、「天ぷら」(税込170円)も一緒に頼んだ。
天ぷらをトッピングするなら、煮干しラーメンより昔ながらのラーメンの方がよかったんじゃないか? いやいや、富士そば公式Xは煮干しラーメンにも天ぷらトッピングした画像を投稿している。つまり合うはずである。
天ぷらの隣にいるのはいつものそばではなく、あまり隣り合うことがないラーメンだ。なんだか居心地悪そうに見えるのは気のせいだろうか……。
トッピングする前にまずはラーメン自体の味をたしかめておきたい。スープはその名の通りに煮干しを使っており、ほのかに魚介の香りが漂う。個人的に煮干しは苦手なのだが、ここのスープは主張が控え目で、あとを引かないあっさりとしたテイスト。旨味もしっかりしている。
麺は細めで、昔ながらの食堂の麺を想起させる。そばと同じく、飾らない庶民的な味と言えるだろう。
ではさっそく、天ぷらを召喚しよう。
……… いでよ、天ぷら ………
そう心のなかで唱えて、麺の上に天ぷらを置いた。
う~ん、馴染まん。どことなく違和感を覚えるのは気のせいだろうか。やっぱりコレがいる場所は、そばの上。もしくはうどんの上じゃないのか? 中華麺の上は不自然な気がしてならない。
はたして、箸で切り分けて口の中に入れると、脳内の食べ物認識機能は「そば」と判別する。しかし、直後に麺をすするとそれは「ラーメン」なのだ。
食べ進めていると、まるで映像のサブリミナル効果(知覚できるギリギリの刺激)のように、天ぷらを食べる度に「ラーメン」という認識の隙間に一瞬「そば」が出てくる感じ。
これは合うと言えるのか? 正直、合わないわけではないけど、すごく合っているわけでもないような……。天ぷら・かき揚げの類は、そば・うどんと食べる方がふさわしい気がするんだよなあ。
ぜひ、皆さんも天ぷらトッピングラーメンを食べてみて頂きたい。合っているのか、それとも合っていないのか? 皆さんも味わってたしかめて欲しい。少なくとも私は「めちゃくちゃ合う」とは言えないと感じたのだが……。
・今回訪問した店舗の情報
店名 富士そば新宿店 住所 東京都新宿区新宿3-14-25 時間 4:00~翌3:00(L.O.2:45)
参考リンク:名代富士そば、X @fujisobar 執筆:佐藤英典 Photo:Rocketnews24