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山梨県富士河口湖町のコンビニエンスストア前で、富士山を背景に写真を撮る観光客(2024年5月21日撮影、資料写真)。(c)Kazuhiro NOGI/AFP

【9月3日 AFP】オーストラリア人観光客とされるロッキー・ジョーンズ氏が日本の墓地でお供え物の缶酎ハイを飲み干すなどの「墓荒らし」動画を投稿し、ネット上で激しい怒りを呼んだのを受け、在日オーストラリア大使館は、オーストラリアからの渡航者に対し現地の法律とルールを尊重・順守するよう呼び掛けた。

近年、有名になりたい外国人が迷惑行為に及び、日本人を激怒させる事例が相次いでいる。

動画によると、ジョーンズ氏は缶酎ハイを飲み干す前、コインを投げて缶を開けるかどうかを決めていた。飲み干した後には、ジョーンズ氏が墓の前でげっぷをしている場面も映っている。

先月投稿されたこの動画に対し、ネット上で怒りの声が上がった。

あるX(旧ツイッター)ユーザーは、「お墓は、日本に限らず、どこの国でも神聖な場所でしょう。何でこんなことできるのかな? 二度と日本に入れないようにして欲しい」と投稿した。

在日オーストラリア大使館は2日、フェイスブックでオーストラリアからの渡航者に対し、日本を訪問する際は「適切な行動」を取らなければならないと警告したが、ジョーンズ氏の動画には明確に言及しなかった。

同大使館はAFPの取材に応じなかったが、フェイスブックに「在日オーストラリア大使館は日本の関係機関と緊密に連携し、オーストラリアからの渡航者が現地の法律とルールを尊重し、順守するように周知しています。日本を訪問する際は、適切な行動を呼びかけています。今後も関係機関と協力し、厳正に対処します」と投稿した。

ジョーンズ氏は2日、インスタグラムの動画でこの件について謝罪した。

2023年にも、260万人の登録者数を持つユーチューバー「フィディアス」が仲間3人と共に無賃乗車で日本中を旅する動画を投稿した。フィディアスも後に謝罪した。

その1か月前には、「ジョニー・ソマリ」として知られる米国人動画配信者イスマエル・ラムジー・ハリド(23)容疑者が建設現場に不法侵入した容疑で逮捕された。

動画によると、マスクを着けたジョニー・ソマリは、退去を求める建設作業員に対し、2011年の福島第一原子力発電所事故を指して、「フクシマ」と繰り返し叫んでいた。

別の動画には、元少年兵を自称するジョニー・ソマリが地下鉄の車内で、1945年の米国による日本への原子爆弾投下に絡む暴言を吐き、通勤客を困惑させている場面が映っている。

かつてないほど多くの外国人観光客が押し寄せる中、こうした無秩序な行動にうんざりする日本人が増えている。

山梨県富士河口湖町は昨年、コンビニエンスストアの屋根越しに富士山を撮影できることで観光客に人気のスポットで、完璧な写真を撮ろうと道路に飛び出す人が増えたことから、大きな目隠しを設置した。

オーバーツーリズムと移民をめぐる懸念の高まりを背景に、7月の参院選では「日本人ファースト」を掲げる参政党が躍進した。(c)AFP

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