ハーバード大が留学生に注意喚起、SNS投稿などで-政権と対立続く

ハーバード大学の職員は留学生に対し、ソーシャルメディアへの投稿などに注意するよう助言した。

  ハーバード大の国際事務局およびハーバード大法科大学院の移民支援団体の担当者は3日、外国人学生向けのガイダンスを提供する電話会議を実施した。同大の留学生受け入れ阻止を図るトランプ政権の措置を巡り、連邦地裁は措置の執行を一時差し止めとする判断を下した。政権側はこれを不服として控訴している。

  会議に参加した複数の学生によれば、同大職員から、米国務省当局者には学生ビザ申請者のソーシャルメディアアカウントを審査する権限があるほか、米税関・国境警備局(CBP)は個人の電子機器を検査し、そのコンテンツを理由に入国を拒否できるとの注意喚起を受けた。

  会議は非公開だったとして学生が匿名で語ったところでは、大学側は審査を行うのが人間か人工知能(AI)か、何が「危険信号」と見なされるのかは明確でないとしながらも、パレスチナ支持や反ユダヤ主義、米国をおとしめるような投稿が注目されやすいと話した。

  さらに、軽微な違反を含む、法執行機関とのこれまでの関わりも目を付けられる原因になると説明。電子機器のデータを完全に消去すれば、かえって疑念を招く恐れがあるとの指摘もあったという。

  学生らによると、ハーバード大の移民サービスディレクター、モーリーン・マーティン氏や、ハーバード大法科大学院の移民・難民クリニックのスタッフ弁護士、ジェイソン・コラル氏らが会議の司会を務めた。ハーバード大国際事務局の担当者はコメントを控えた。

  ホワイトハウスは高等教育改革を目指す中、ハーバード大を主要な標的としている。トランプ政権は同大に対し、留学生の受け入れを阻むだけでなく、26億ドル(約3770億円)超の連邦研究資金を打ち切り、非課税資格を取り消す構えを見せている。

  政府は当初、同大が反ユダヤ主義を助長していると非難していたが、現在は政治的偏向や、採用・入試における多様性重視の方針などにも攻撃の矛先を向けている。

関連記事:ハーバード大とホワイトハウスの協議行き詰まり、早期解決は見通せず

原題:Harvard Cautions Foreign Students Over US Airports, Social Media(抜粋)

関連記事: