【能登半島地震から1年半】「ようやく水が出た」仮設暮らしの飼い主が涙した電話 愛猫と一緒に“帰れる日”
能登半島地震から1年半「ようやく水が出た」(ナカヨシさん提供)
「ついに、1年半ぶりに自宅の水道から水が出ました!」
そんな一言が、どれほど長い時間を耐えてきた人の重みを伝えるだろうか――。
2024年1月1日に発生した能登半島地震から1年半。液状化で大きな被害を受けた住宅は傾き、30センチもの沈下、外壁のひび割れ、駐車場の隆起、上下水道の大規模な破損…。自宅は約1メートルも横にずれてしまい、住むことはできず、「みなし仮設」として近くのアパートでの避難生活が続いていた。
※本記事はナカヨシさん(@nakayoshi_toppo)がXに投稿した体験をもとに執筆しました。
順番待ちの復旧工事 涙こぼれた友人からの電話
自宅の敷地内の上下水道配管は、家の沈下修正が終わらないと着手できず、工事の順番待ちが長かったという。ようやく工事を終えたのは、水道工事を担当してくれた友人の会社だった。
「『全部なおったぞ! 家帰れるぞ! 遅くなってごめんな!』と電話をもらったとき、涙が出そうでした」
ようやく蛇口から水が出る――それは「当たり前」だった暮らしが戻る小さな一歩だ。
愛猫と一緒に帰る“家” 未完成のキャットウォーク
避難中も一緒に過ごしてきた愛猫は、ペット可の「みなし仮設」で暮らしている。
「地震があった時間、自宅の壁にキャットウォークを取り付けている最中でした。避難したので途中のままです。帰ったら完成させて猫に遊んでもらえたらうれしい」
仮設住宅では運動不足になりがちな猫を、思う存分走り回らせてあげたい。
「戻れたらお風呂に入ったり、洗濯をしたり、当たり前のことが楽しみです」
猫ちゃんもおうちに帰るのを楽しみにしている(ナカヨシさん提供)
「戻れない人」もまだ多く 残る不安
しかし地域には、まだ修理の目途が立たない家も多い。「近所の家は地盤が動いて県道の境界を超えてしまい、修理の方法が分からないまま『みなし仮設』で暮らしています」
自宅前の道路は仮復旧したものの、雨水は道路に垂れ流され、下水管も応急対応のまま。
「ちゃんと元通りになるのか不安です」
当たり前の暮らしが戻る日まで
蛇口から水が出る。その“当たり前”が、どれだけの希望を支えているか。愛猫と一緒に迎える小さな日常の復活――。しかし、被災地にはまだ「帰りたくても帰れない人たち」がいる。
あなたの街の「当たり前」は、今どこにあるだろうか。
※本記事はナカヨシさん(@nakayoshi_toppo)がXに投稿した体験をもとに執筆しました。
Page 2