iPhone 17eとラディウスのスティックDACで楽しむ、有線イヤフォン生活

iPhone 17eを発売日に購入した。5年弱使い続けたiPhone 12 miniは、バッテリーの減りが早くなり、バイクのナビで使っていると充電の不安があった。ストレージ容量が逼迫し、iOSアップデートのために、何かしらのデータを消す有様。観念して、iPhone 17eに買い換えた。3Gガラケーをギリギリまで使っていた筆者にとっては、初めてのスマホ新調。ちょっとワクワクしながらiPhone 17eとの生活をはじめた。

普段からあまりスマートフォンを使わない筆者は、iPhone 17eを「これでもいいか」という諦め半分の妥協ではなく、「こういうのでいい」というスタンスで選んでいる。

発表直後のネットの議論は、スマホ玄人の方を中心に手厳しい意見が目立ち、筆者自身も超広角レンズの非搭載やProMotion非対応は惜しいなと思ったのは確かである。

ただ、実際に使ってみると、ストレージが余裕たっぷりとか、動画の手ブレ補正の大幅進化、Ceramic Shield 2で強化された画面はフィルム要らずといった具合に最新機種の恩恵を実感する毎日だ。

オーディオ周りでいえば、インターフェースがUSB-Cに変わったことが本当に嬉しい。Lightningは、サードパーティ製のケーブル(MFi認証あり)がいつの間にか使えなくなるトラブルを何度も経験した。オーディオ機器も稀に相性問題が起こるリスクがあり、そもそもLightning対応製品が激減している中で、やっと安心してどのDACも選べるようになったのは大きい。

せっかくだから、組み合わせるオーディオ機器も新しくしようかとDACアンプを探してネットを回遊。目に留まったのがラディウスのUSB-C対応DACアンプ「RK-DA70C」だった。店頭予想価格は15,950円前後。スティック形状の小型DACアンプとしては、高価な部類だ。他社の体積があるDACアンプ等も保有している身としては、確実に常用したいと思えるお手軽さは必須であった。導入を考えている矢先、ありがたいことにレビューの機会を得ることができた。

ラディウスのUSB-C対応DACアンプ「RK-DA70C」

ラディウスは、Apple社の元役員がカリフォルニア州で創立し、1996年に日本法人として設立された。当初は、Mac用のグラフィックスボードやソフトウェア開発を行なっていたという。2000年台中盤、真空管アンプやイヤフォンの発売を機にオーディオ事業へ進出。iPhone 3Gの時代から、対応イヤフォンやアクセサリーなどを展開してきた。現在では、有線/無線のイヤフォン、DACアンプなどを中心にオーディオ製品を開発販売している。

ハイレゾ音源の再生アプリとして定番の1つである「NePLAYER」。Dolby Atmosに対応する映像配信サービス「NeSTREAM LIVE」は、タブレットやスマホ、テレビでDolby Atmosサウンドのライブ映像が楽しめる。ポータブルオーディオとアプリに強いメーカーだ。

RK-DA70Cは、DSD対応のポータブルDACアンプ。384kHz/32bitまでのPCMと、5.6MHz(DoP再生)までのDSDネイティブ再生が可能。USB-C接続のポータブルDAC製品として特例的にMFi認証を取得しており、Apple製品との互換性を保証している。

SoCとしてESS製「ES9270C」を採用。同チップは、ESSの特許技術である「Hyperstream DAC」によって楽曲再生時の出力特性である動特性における定常ノイズを除去、「タイムドメイン‧ジッターエリミネーター回路」で、オーディオマスタークロックの時間軸上でのブレを補正するという。

D/A変換の後段には、G級アンプでヘッドフォンやイヤフォンを無駄なく駆動。再生する音声信号のレベルに応じて電源電圧を可変し、効率よく動作することで、モバイル機器のバッテリーに優しい設計となっている。これは、音声の出力レベルを問わず、再現性を高める上でも一役買っているようだ。

出力は3.5mmステレオ。リモコン・マイク機能には対応しない。電源はUSBバスパワー駆動。

出力は3.5mmステレオ。電源はUSBバスパワー駆動

対応機器は、iOS 17.0.2、iPad OS 15、Android OS 12、MacOS 13.2、Windows10以降と一通り網羅。すべてのUSB-Cデバイスでの動作を保証するものではないが、特にApple製品は安心して組み合わせられるだろう。

NePLAYERは、ハイレゾ再生機能を使うには課金の必要があるが、本機を接続することにより無料版の「NePLAYER Lite」でもハイレゾ再生が可能になる。ただし、ネットワーク再生機能(NASの音源再生)は有料版限定だ。

全長は10cm。箱から出したRK-DA70Cは、想像以上にコンパクトで驚いた。筐体はアルミで質感も素晴らしい。ケーブルの繋ぎ目はしっかりしており、耐久性が高そうだ。シースも含めやや固めなのか、コネクタ部を持っても、アンプ側がほぼ垂れ下がらない。

ヘッドフォン/イヤフォン挿し込みジャックは末端に配置。アンプ部はラウンド形状をしているが、見た目より持ちやすく、イヤフォンを挿すときに不便はなかった。

さっそく、基本的な挙動や仕様面をチェックしていく。PCへ接続し、Audirvāna Studioを立ち上げる。オーディオの設定からデバイスを選ぼうとしたが、どこにも見当たらない。OSのサウンド設定にもそれらしいデバイスは存在しない。不安に駆られる筆者。

モバイルも試してみるかと、iPad Proに挿すが沈黙。初回接続でヘッドフォンかその他のデバイスかを選ぶ例のポップアップが表示されないのだ。ちょっと待ってくれよと思いながら、イヤフォンを挿し込んだ瞬間! デバイス認識のポップアップが表示されたではないか。

イヤフォンを挿し込んだら、スマホに認識された!

つまり、「3.5mmプラグをジャックに挿さないと電源が入らない仕様」だったのだ。省電力のための機能だと推測するが、確かにUSBバスパワー駆動の本機だったら有り得るかもしれない。

気を取り直して、PCに接続。OSのサウンド設定を見ると、今度はデバイスが認識されていた。「Audio Adapter with USB type-C」というデバイス名のようだ。旧コントロールパネルから、既定の形式を設定してみると、最大で384kHz/32bitが選択できる。ASIOドライバーは配布されていないため、DSDのASIOネイティブ再生はできない。あくまでDoP再生によるDSD128までの対応となる。

「Audio Adapter with USB type-C」というデバイス名で認識された

Audirvāna Studioでデバイス認識をチェック。ご覧の様にPCMとDSDの仕様が正しく反映されている。試しに、DSD 5.6MHzや384kHz/32bit整数音源を再生。ネイティブ再生が正しく行なわれていることを確認した。

Audirvāna Studioでデバイスの詳細を表示したところ。384kHz/32bit、DSD128対応デバイスであると確認できた

Audirvāna Studioは、ASIOやWASAPIよりも同社独自のカーネルミキサーによる再生が最も高音質となる。このときDSDは自動でDoP再生になるので、本機は支障なくDSDのネイティブ再生が可能だ。

384khz_32bit音源ネイティブ再生ができた

挙動の確認が終わったら、サウンドチェックといこう。

比較相手は、Apple純正「USB-C - 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ」だ。Amazonとかで見かける数千円のスティックDACもいいが、あえて純正品と比べてみる。このアダプタはLightning時代も1個購入していて、イヤフォンのキャリングケースに入れっぱなしだ。48kHzを超える入力には非対応となる点が惜しいところ。

Apple純正「USB-C - 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ」

NePLAYER Liteを使って試聴したいところだが、無償版ではUSB-Cアダプタで48kHzのハイレゾ音源が再生できないため、Qobuzアプリを使用した。アプリ側でのダウンコンバート再生を避けるべく、48kHz/24bitの音源をセレクトする。まずは厳密に比較するため、普段使いのイヤフォンではなく、モニターヘッドフォンの「T3-03」で試聴した。

結束バンド TOUR "We will B"より「秒針少女 -We will B- Live ver.」。USB-Cアダプタで聞くと、ハイレゾ音源ってこんなものか?と物足りなさが真っ先に来た。単純に雑味が多い。高域が少しチリチリしている。せっかくのライブ音源なのに空間も狭い。バスドラやベースが細く頼りない。

RK-DA70Cに交換して、同じ曲を再生すると……これは驚愕だ。本当に同じ音源か疑いたくなる。ライブ会場の空気感は、ホールの暗騒音、機材のサーとかシーというノイズまで生々しい。ドラムの金物はピュアで解像度が高く、きらめくような粒立ち。バスドラは質量だけでなく、空気感まで加わっている。長谷川のボーカルも息遣いにグッとくる臨場感だ。エレキの音色は、色気と艶があって、奏者の巧みな演奏がより引立つ。S/Nも向上した。大サビ前のほぼボーカルだけになる下りは段違いに引き込まれる。

音量をボタンでボリュームを操作すると、調整がザックリしていて、大きく/小さくなりすぎる感覚があった。ホーム画面に戻って、上から下にスワイプして設定を表示。ボリュームアイコンから微調整するとちょうどいい案配に追い込めた。ストレスなく使いこなすには、こういった細かいことも留意したい。

Evan Call Orchestra Concert ~ 音楽と旅の現在地より「Zoltraak (2025 Live Version)」。

イントロのピアノが鳴った瞬間。USB-Cアダプタでは、ピロピロさながらのチープな音が間違いなく生ピアノの音に聴こえて感動。ホイッスルは空気感をまとって生楽器としての息吹を取り戻し、ブラスはダイナミクスに余裕を感じさせるエネルギッシュさを発揮。最後に打楽器が「ダンダンダン!」と鳴る〆は、ホールの空気を引き締める圧巻の演奏で幕を閉じる。中低域の駆動力が段違いだ。

音数の多いラウドなキャラソンも聴く。CHAKI! from いきづらい部!より「凸凹Quartet」。USB-Cアダプタでは、ボーカルと打ち込みのオケが渋滞して、ゴミゴミした音場が気になる。RK-DA70Cに替えると、ボーカルとオケの分離は改善した。左右のコーラスも広がりを増して、印象的に感じられる。ただ、かなり音数の多い楽曲ということもあり、やや混濁感は残る。声優陣の歌声を楽しむ上で、USB-Cアダプタではまったく実力が足りないと痛感した。

次は雰囲気を変えてアコースティック系のインストを。3人組ジャズバンドFabrhymeの最新アルバムEssenceより「Magic mini Motor」。ドラムの高域にまとわりつく雑味が気になる。空気感や広がりに乏しく、音像の立体感も物足りない。周波数レンジも狭く感じられるし、ハイもローも伸びが足りない。

RK-DA70Cでは世界が一変。ドラムの金物は雑味が減少し、歪み感も軽減。ベースの質感は豊かで有機的だ。生ピアノは、レコーディング時の部屋の空気感まで伝わってくる。ハイレゾらしい緻密な音像は、USB-Cアダプタではまったく楽しめないと言い切ってしまいたい。そのくらい音が変わった。

続いて、NePLAYER Liteでハイサンプルレートの音源も試す。同アプリはパソコンから音源を転送してのファイル再生に対応する。Macがあれば、AirDropが使えるが、WindowsではiTunesを使用する。画像のようにスマホを認識させてから、アプリごとの書類としてデータを転送すればいい。HF Playerなど他のハイレゾ対応アプリと同様だ。

iTunesでハイレゾ音源をスマホにコピー

DSDの2.8/5.6MHzと384kHz/32bit整数、および192kHz/32bit整数の楽曲を転送した。先に申し上げておくと、すべての楽曲でネイティブ再生が実現した。DoP再生をONにしているのに、なぜかPCM変換になってしまうLightning時代の苦い思い出も過去のこと。認識トラブルなどの相性もないし、USB-C接続に変わって本当に利用しやすくなった。

384kHz/32bit整数のネイティブ再生も成功

Beagle Kickのネイティブ32bit整数録音の「SUPER GENOME」から384kHz音源を再生。音像の描き方がやや甘めだ。コーラスの輪廓はボヤけ気味。シンセトラックやベースの力感は適度に保っているが、サックスの繊細なダイナミクスは32bit整数の解像度を伝えるには十分とはいえない。S/Nはもう少し頑張ってほしいところだ。楽曲の制作当事者として、32bit整数のとっかかりを掴んでもらうには初めの1台としてありかと思った。

同じくBeagle KickのDSD音源から「Rememberance」。DSDの滑らかな質感と温もりのある音色は思った以上に味わえた。ホールの広がりやマイクと音源の距離感表現などはもうひとこえ欲しいところだが、48kHz/24bitのライブ音源と比較すると、まったく違う臨場感を楽しめた。初めてDSDを聴く人はRK-DA70Cでも十分驚いていただけると思う。

ハイレゾ配信サイトとの連携も便利だ。NePLAYER LiteはApple Musicとの連携もできるのだが、ダウンロード音源ではmoraとOTOTOYから購入した音源を直接ダウンロードできる。以前は、e-onkyo musicにも対応していたので、今後Qobuzの対応にも期待したい。筆者はmoraとOTOTOYについて購入履歴を表示し、アルバムごと楽曲ごとのダウンロードがスムーズに行なえることをチェックした。

ストリーミングはApple Musicに対応
moraやOTOTOYから購入した音源をを直接ダウンロードできる

ダウンロードした48kHz/24bitのフュージョンをアップサンプリングで再生してみる。NePLAYER Liteでは、アップサンプリング再生に「整数倍」という珍しい設定項目がある。端的に言うと、44.1kHz系と48kHz系の音源を判別して、整数倍にしてアップサンプリングしてくれるという機能だ。強制的にすべての音源が384kHzになることはなく、44.1kHzのCD音源は352.8kHzへのアップサンプリングを適用してくれる。

アップサンプリング再生の画面

だからなに?と思われる方が大半だろう。実は、44.1kHz系から48kHz系のPCMへデジタル変換すると、音像の輪廓がにじむなど正確性が損なわれるという副作用があるのだ。これは192kHzなどから44.1kHzにダウンコンバートするときも同様で、デジタル領域でサウンプリングレートを非整数倍に変換することは、避けられるなら避けたいのが個人的な思いである。

さっそく、48kHzで配信されているMANHATTANZのアルバムNo Turn on Redより「Belief」をアップサンプリングで再生してみる。PCMらしいデジタル臭が少し軽減され、質感も滑らかに変わった。ただ、楽器のディテールが引き立つのはオリジナル版だ。384kHzで聴くと、アナログ感が若干付加されるようにも感じられた。聴き疲れしにくい音という印象。好みに合わせて使ってみてもいいだろう。

続いて、スマートフォンで音のエンタメを楽しむなら外せないWebラジオも聴いてみよう。Podcastにしようと思ったが、Spotifyや純正のポッドキャストアプリではビットレートの関係で音質がいまひとつだ。ホームページでも番組配信を行なっているニッポン放送ポッドキャストステーションから試聴してみた。「AiScReamのとろけるタイム♡♡♡」より#23を流す。降幡さん、長い期間、お疲れ様でした(涙)

予想通りというか、ロッシー配信ならUSB-Cアダプタでも何の問題も感じない。それこそ聞ければ良いという言葉が当てはまる。RK-DA70Cに替えても、それほど恩恵はなさそうだとすっかり油断する筆者。ところがどっこい。まずスタジオの空気感が一変した。これまで気付くことがなかった、かすかな物音にハッとする。紙の擦れる音や話者が動く音だ。それと部屋鳴りも分かるようになった。ラジオのスタジオはデッドな空間ではあるが、複数のマイクが音を拾っていることもあり、部屋鳴りはわずかに感じられるのが普通。このわずかでも味わえる空気感こそが、スタジオに同席している気分にさせてくれるのだ。出演者の声のディテールも豊かになり、声優ファンにはたまらない音質向上といえそうだ。

声優ボイスと言えば、アプリゲームも捨てがたい。ここでは、遅延の問題を取り上げよう。筆者は、普段スマホでレコーダーから転送した番組をエアチェックするのだが、Bluetoothによる無線接続が中心だ。GO bluにイヤフォンのIE 400 PROを挿して、有線イヤフォンと無線の手軽さのいいとこ取りで楽しんでいる。

ただし、Bluetooth接続ではどうしても遅延の問題がつきまとう。映像視聴では、ほぼリップシンクのズレは気にならないレベルであるが、アクション性を伴うゲームはそうはいかない。

「バンドリ!」のアプリで、ライブ設定の「判定調節(リズムアイコン表示タイミング)」から「タップで調節する」を実行。「ドン!シャン!ドン!シャン!」のリズムに合わせてアイコンをタップすると、自分の環境と反射速度に合わせて、プレイしやすいように調整してくれる。これがマイナス側に調整されると、Bluetooth機器などの遅延が補正されている証。逆にプラス側に調整される場合は、本来のタイミングより早くタップしている証となる。Apple製品で使われるコーデックであるAACは遅延がおよそ120ms程度といわれる。さて、補正の値はどうなるか……

Bluetooth接続のGO bluを使った結果は-13
RK-DA70Cで有線接続した結果は+4

写真の様に結構な差が出た。GO bluを使うと、-13と遅延が明確に。RK-DA70Cでは、自分が少し早くタップしてしまっている模様で+4と逆の補正が働いた。リズムゲームのようにタイミング補正が掛けられるアプリならよいが、補正機能がないアプリゲーム(特にアクション系)ではやはり有線の方が快適に遊べると思われる。音質だけでなく、遅延の解消という点でもスティックDACは有用なのだ。

最後に映像を視聴してみる。自分のメイン用途は、音楽やゲームではなく、映像作品を電車内で見ることだ。配信サービスは、海外ドラマに強いHuluを利用している。電車内と同じスタイルで、イヤフォン(IE 400 PRO)による視聴を行なった。

何か懐かしの作品はないかとアニメ一覧を探っていたら「mono」を発見。山梨県に聖地巡りに行きたいと思いつつ、まだ行けてない筆者。気になっているスポットが登場する第6話を視聴。「山梨でカレー、食べます」では、漫画家の秋山先生がどうしてもカレーを食べたいと、愛車で無茶な大移動を敢行するコメディ回。

USB-Cアダプタは、本来のソースのダイナミクスを生かし切れてない窮屈な印象が強い。台詞の高域はガサツいており、左右に狭い音場は味気ない。イヤフォンの周りから音が離れないのだ。劇伴と台詞の分離は悪く、音場に曇りも感じられる。

RK-DA70Cは、トランジェントが大きく改善し、台詞はディテールを回復。喉がみえる声というのか。やっぱりここまでのクオリティはほしいよねと素直に感じる。OPの「メニメリ・メモリーズ!」では、コーラスの広がりが改善し、ドラムの質感は生々しく、ストリングスは立体感をまとって説得力がアップ。

USB-Cアダプタでは、鳴ってはいるけどそれがどんな環境音や効果音なのか、すぐピンとこなかったのに、車の中のエアコン、セミや鳥の鳴き声、屋外の暗騒音など、注意して耳を傾けなくても、自然と感覚が「それだ」と認識してくれる。決して誇張されている訳ではないのに、表現力が高まるとこのような変化が得られる。混濁感や解像度、トランジェントの改善が効いているのだろう。

RK-DA70Cは音色に特段の癖がない点も好印象だ。T3-03やIE 400 PROはモニター機に分類される機種だけに、その出力機器でもってしても、ナチュラルなバランスで鳴っている実感がある。中低域の量感は物足りないという点は否定しないが、特定のピークや色付けが感じられないのは映像から音楽ゲームまで楽しめる安心材料でもある。

救急医療を舞台にした海外ドラマ「シカゴ・メッド シーズン5」の第19話。サブスクで一番ハマるのは、海外ドラマだった。FBIを初めとしたディック・ウルフ系列の作品にズブズブと浸かっている筆者。テンポの良さとリアリティのある丁寧なお仕事ものとして気に入っている。

やはりmonoと同じく、SEや環境音のリアリティがUSB-Cアダプタと比べると別次元に向上する。台詞と劇伴との分離もよく、明瞭度は高い。吹替え声優の個性が際立っている。 ダイナミクス表現は余裕があり、劇伴がグッと音量を上げて盛り上がり、シーンが変わる過程が没入感マシマシで表現できている。

いつの間にか視聴テストを忘れて、物語にのめり込んでいる自分に気付く。RK-DA70Cなら、大きなアンプ部をぶら下げないので、イヤフォンケースのちょっとした隙間にも収納できる。純正品のUSB-Cアダプタとほぼ同じ感覚で日常使用できるのに、音は見た目をいい意味で裏切る高品質で予想を超えてくれた。

スマートフォンと組み合わせるポータブルDACアンプは、上を見れば素敵な製品がたくさんあって、確かにそのクオリティは高い。しかし、1万円台で買えるRK-DA70Cならば、何の負担もなく持ち運べて、もはや携帯していることも忘れそうなほどコンパクト。あらゆるシーンでスマホのサウンドを諦めない最初の一本として、心からお勧めしたい製品だった。

先日、富士山へバイクツーリングしたときの1枚。荷物を増やしたくないレジャーでも、気軽に携帯して休憩中はポッドキャストを聴いてしまった。“ノーストレスで音もいい”が現実となり、すっかりご満悦である。

旅のお供にも最適だ

関連記事: