NY市場サマリー(20日)ドル下落、利回り低下 株上昇
<為替> ドル指数が2年ぶり高値から反落した。この日発表された米個人消費支出(PCE)価格指数は前月比で伸びが鈍化した。それでもドルは週間では3週連続で上昇する勢いにある。
米商務省が発表した11月の個人消費支出(PCE)価格指数は、前年比2.4%上昇し、伸びは前月の2.3%から加速。同時に、物価の「瞬間風速」を示すPCEの前月比は0.1%上昇と、伸びは10月の0.2%から鈍化した。L6N3NL0FS]
主要通貨に対するドル指数は0.72%安の107.64となった。一時、2022年11月以来の高値となる108.54まで急騰した。週間では0.72%上昇となる見通し。
ドルはスイスフランに対し0.79%安の0.892フランとなった。
ユーロは一時、1カ月ぶり安値となる1.03435ドルまで沈んだ後、小幅に下げ幅を縮小し、終盤では0.76%高の1.044175ドルとなった。週間ベースでは3週連続の下落となる見通し。
ドル/円は0.89%安の156.01円。
英ポンドは0.77%高の1.25990ドル。一時、1カ月ぶり安値となる1.2475ドルを付けた。週間では3週連続下落の見通し。
オフショア取引でドルは対中国人民元で0.18%安の7.295元。
豪ドル/米ドルは0.43%安の0.6263米ドル。ニュージーランド(NZ)ドル/米ドルは0.53%高の0.566米ドル。
NY外為市場:
<債券> 国債利回りが低下した。11月の個人消費支出(PCE)価格指数を受け、連邦準備理事会(FRB)が決定した0.25%ポイントの利下げが裏付けられたほか、来年は2回の利下げが行われるとの観測が強まった。
この日はまた、連邦議会でつなぎ予算を巡る調整の難航が続き、政府機関閉鎖の危機が迫る中、安全資産と見なされる米国債が買われたことも利回りの低下につながった。
終盤の取引で、10年債利回りは5ベーシスポイント(bp)低下の4.52%。週初からは約12bp上昇。過去2週間では合計37bp上昇した。
2年債利回りは1.1bp低下の4.308%。
2年債と10年債利回り差は21.2bp。前日には27.6bpと、2022年6月以来の水準に拡大していた。
30年債利回りは5.6bp低下の4.686%。
米金融・債券市場:
<株式> 米国株式市場は上昇して取引を終えた。この日発表された米個人消費支出(PCE)価格指数や、連邦準備理事会(FRB)当局者の発言により金利の先行き懸念が和らいだ。
市場はFRBが2025年は3月に最初の利下げ、10月までに追加利下げを実施すると予想している。データ発表前は、25年12月までに2回目の利下げが行われる確率は約50%だった。
インフラストラクチャー・キャピタル・アドバイザーズ(ニューヨーク)のジェイ・ハットフィールド最高経営責任者(CEO)は「PCEとFRBのハト派的な発言が、『タカ派的利下げ』に対する過剰反応を相殺したに過ぎない」と述べた。
この日は、株式先物取引、株価指数オプション取引、個別株オプション取引の3つの取引期限満了日が重なる「トリプルウィッチング」に当たり、出来高とボラティリティーが高まった。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.84対1の比率で上回った。ナスダックでも2.12対1で値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を上回った。
米取引所の合算出来高は215億8000万株。直近20営業日の平均は148億7000万株
米国株式市場:
<金先物> 米長期金利の低下を背景に買い戻しが入り、7営業日ぶりに反発した。中心限月2月物の清算値(終値に相当)は前日比37.00ドル(1.42%)高の1オンス=2645.10ドル。週間では1.15%安。
NY貴金属:
<米原油先物> 米インフレ圧力の落ち着きを示す統計の発表を好感し、小幅上伸した。この日中 心限月に繰り上がった米国産標準油種WTI2月物の清算値(終値に相当)は、前日比0.08ドル(0.12%)高の1バレル=69.46ドル。3月物は0.07ドル高の69.02ドルだった。
NYMEXエネルギー:
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