Xにあふれかえる「画像を長押しして4Kで読み込んで」ミームの正体

Image: @Advil/X

こうやってミームは広がる

「画像を長押しして4Kで読み込んで」あなたのタイムラインにも一度は流れてきたことがあるのではないでしょうか。そんな一文と共に画像が添付された投稿です。今回はそんな(フィードがつまらない画像で溢れかえって最悪な)ミームがどこで生まれてどこで広まったのかを深掘ってみます。

「画像を長押しして4Kで読み込んで」はどこで生まれたのか

「Tap, Hold and Load In 4K(画像を長押しして4Kで読み込んで)」は、iPhoneやiOSデバイスで利用可能なX(旧Twitter)の機能を指しています。この機能を使用すると、特定の画像を長押しで、4Kの解像度で読み込むことができます。Androidデバイスでは、この機能を利用すると4K画像を保存することができます。 この機能自体は少なくとも2020年から存在していたとされますが、「画像を長押しして4Kで読み込んで」というフレーズが話題になったのは2025年1月のことで、特にブランドアカウントやユーザー間でコピペとして広まりました。

Xの一部ユーザーは2020年頃からこの4K読み込み機能を利用していました。最も初期の投稿のひとつとして、2020年4月23日にXユーザー@ImNathanBennettがこの機能を使用し、「画像を4Kで読み込む」ことを推奨した投稿があります。この投稿は5年間で9,000以上の「いいね」を獲得しました。この機能は公式には2021年4月21日にリリースされています。

ユーザーからエンゲージメントを得るためのミームに

「画像を長押しして4Kで読み込んで」は、技術的な機能にフォーカスした文面でありながら、実際はマーケティングやエンゲージメント戦略としてブランドアカウントなどに活用されるようになっていきました。たとえば、

2025年1月13日:公式@NASCARアカウントがこのフレーズを使用して投稿を行い、1日で10,000以上の「いいね」を獲得。

Tap, hold and load in 4K. pic.twitter.com/EOwodnTQj2

— NASCAR (@NASCAR) January 13, 2025

2025年1月14日:@ManUtdアカウントがサッカー選手アルタイ・バインディルの4K画像をこのフレーズを添えて投稿し、24時間以内に20,000以上の「いいね」を獲得。

Tap, hold and load in 4K 😍 pic.twitter.com/Qm7zCcufZG

— Manchester United (@ManUtd) January 14, 2025

これらは一部ですが、ブランドアカウントがユーザーのエンゲージメントを高めてもらうための投稿を行なうようになっていきました。こんなの4Kで読み込んでもしょうがないだろというボケ的な意味合いで画像を投稿するなど、写真で一言の大喜利やbokete的な文脈も乗っかることで、広く投稿されるようになっていきました。

流行のきっかけは星空

「画像を長押しして4Kで読み込んで」というフレーズ自体が流行したきっかけは、2025年1月9日のことでした。この日、Xユーザー@Advilが満天の星空の壁紙を投稿し、「タップしてホールドして4Kで読み込むと、さらに多くの星が見える」と画像に添えました。この投稿はわずか5日間で248,000以上の「いいね」と16,000以上のリポストを獲得し、このフレーズが注目されるきっかけとなりました。

tap, hold and load in 4k to see even more stars 🤩 pic.twitter.com/RePAonIGO7

— abdul 🌌📷 (@Advil) January 9, 2025

星空の投稿をきっかけにこのフレーズは2025年1月中に急速に拡大していきました。このフレーズと投稿がミーム化してユーザーのタイムラインにあふれるようになるとユーザーたちはもう飽き飽き、うんざりだという様子を見せ始めました。たとえば、

2025年1月14日、Xユーザー@jc1t0は以下のようなミームを投稿しました

「タイムラインで『タップしてホールドして4Kで読み込む』ツイートをもう1回見たら、こうなる」

この投稿には「トミー・シェルビーが自分の頭に銃を向けるミーム」が添付されており、このフレーズの濫用に対するユーモラスな批判を表現しました。

2025年現在「画像を長押しして4Kで読み込んで」投稿はタイムラインを埋め尽くす、つまらない画像があふれかえる忌まわしき投稿となっていますが、2020年から5年後の現在ここまで大きなミームへと変貌を遂げました。日々多くのミームが生まれそして消えていきます。次はどんなミームが私たちの前に現れるのでしょうか。

Source: Know Your Meme

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