中国ディープシーク、国内企業が相次ぎサポート 国産AIの転機に

韓国産業通商資源省は、職員に中国新興企業ディープシークが開発した生成AI(人工知能)の利用を一時的に禁止した。(2025 ロイター/Florence Lo/Illustration/File Photo)

[上海 5日 ロイター] - 中国の新興企業ディープシークが開発したAI(人工知能)モデルをサポートする国内の半導体メーカーやクラウドサービス事業者が相次いでいる。アナリストは米国製ハードウエアへの依存を減らす「重要な転機」になると指摘している。

AI半導体を製造する摩爾線程(ムーア・スレッズ)と海光信息技術(688041.SS), opens new tabは3日、自社のコンピューティングクラスターとアクセラレーターでディープシークのAIモデルである「R1」と「V3」をサポートできるようになると表明。

ムーア・スレッズは対話アプリ「微信(ウィーチャット)」に「ディープシークに敬意を表する」と投稿。国産GPU(画像処理半導体)を使ったディープシークのAIモデルの進化が国内AI産業の起爆剤になる可能性があると指摘した。

華為技術(ファーウェイ)(HWT.UL)も1日、自社のクラウドサービスで顧客がディープシークのモデルを利用できるよう、AIインフラ新興企業、北京硅基流動科技(シリコンフロー)と提携すると発表した。性能は海外の高性能半導体で作動するモデルに匹敵するという。

バーンスタインのアナリストは2日、ファーウェイがディープシークのモデルを自社の半導体「アセンド」と統合したことについて「重要な転機」になると指摘。

「ディープシークは、競争力のある大規模言語モデル(LLM)を『十分な性能』がある国産半導体で展開できることを示した。米国の最先端ハードウエアへの依存を減らせることになる」とし、アセンドのほか、中科寒武紀科技(カンブリコン)や海光が計画している半導体を挙げた。

アリババ(9988.HK), opens new tab、百度(バイドゥ)(9888.HK), opens new tab、騰訊控股(テンセント)(0700.HK), opens new tabのクラウド部門も、ディープシークのモデルを利用できるサービスを導入したことを明らかにしている。

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Brenda Goh is Reuters’ Shanghai bureau chief and oversees coverage of corporates in China. Brenda joined Reuters as a trainee in London in 2010 and has reported stories from over a dozen countries.

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