水星からダイヤモンドがざくざく採掘できるかもしれない説

Image: NASA / Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory / Carnegie Institution Of Washington

ゴールドラッシュならぬダイアモンドラッシュ。

宇宙広しといえど、太陽系のご近所さん水星にざっくざくのダイヤモンドが眠っている可能性があることが、研究で明らかになりました。

自然科学誌『Nature Communications』に発表された研究で、惑星物質科学者ヤンハオ・リン博士とそのチームは、水星特有の条件が地下深くで巨大なダイヤモンド層を形成した可能性を提唱しました。

どうして水星にダイヤモンドが?

水星の表面にはグラファイト(黒鉛)が散らばっていて、かつてこの惑星の地殻が炭素を多く含んだマグマの海の上に浮かんでいた証拠となっています。

マグマの海が冷える過程で、より軽い炭素材料が上昇し、より重い炭素が沈んだことで惑星の核付近にダイヤモンドが蓄積されたと考えられています。その規模は核を覆う厚さ11マイル(約18km)にもなるダイヤモンドの殻です。

この研究によれば、圧力が5.5ギガパスカル(GPa)を超え、温度が摂氏約2,000度に達する深部では、埋もれた炭素が核とマントルの境界付近でダイヤモンドに変化した可能性があるといいます。リン博士は…

何年も前から、水星の極めて高い炭素含有量が重要な意味を持つかもしれないと気づいていました。水星の内部で何か特別なことが起きているに違いないと実感しました。

…と述べています。

水星の謎を解き明かす鍵になる可能性も

このダイヤモンド層は、水星に長らく残る謎の1つ、磁場の解明にも役立つかもしれません。水星は小さな惑星では確認されていない強い磁場を維持しています。 その理由がダイヤモンドの高い熱伝導性が鍵となると、リン博士は推測しています。

ダイヤモンドの高い熱伝導性は、核からマントルへの熱伝達を効果的に助けます。これが核内部の対流に影響を与え、磁場の維持を助けるのです。

このメカニズムによって、水星の内部は太陽系の他の惑星とはまったく異なるものになっている可能性があり、さらに他の岩石惑星や系外惑星において、磁場がどのように形成・持続するのかを解明する手がかりにもなるかもしれません。

もしも同様の形成条件が他の惑星に存在しているとすれば、ダイヤモンド豊富な内部構造は水星以外にもあり得るかもしれません。そうなってくると、さらに宇宙大航海時代が本格化するかもしれません。水の星かと思ってたけど、ダイレクトに金になりそうな星ですね。

Source: Business Today

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