認知症を引き起こす"第3の糖尿病"の怖さ…専門医が「老けたくなかったら血糖値を下げて」という理由 高血糖状態は白髪・薄毛・しみ・しわという老化の原因にもなる

内閣府は、2025年に65歳以上の認知症患者数が約700万人に増加すると予測。糖尿病専門医の矢野宏行さんは「糖尿病は1型と治療可能な2型に分類されてきたが、近年、認知症を伴う第3の糖尿病が注目されている。高血糖の状態が続くと、脳を含め体のさまざまな部分が老化していく」という――。

※本稿は矢野宏行『ミスター血糖値が教える 7日間でひとりでに血糖値が下がるすごい方法』(アスコム)の一部を再編集したものです。

写真=iStock.com/Maya23K

※写真はイメージです

「効果的に血糖値を下げる方法」を研究し、気づいたこと

私は、大学を卒業後、国立国際医療研究センター研究所の糖尿病研究センターで糖尿病について研究に専念しました。今はクリニックを運営し臨床に携わっています。

「どうやったら血糖値が下がるのか」 「最も効果的に血糖値を下げる方法は何か」

研究・臨床の両方向から血糖値のことばかり考えてきました。

最近では、24時間の血糖値の変化を調べる機器を使って、数多くの患者さんのデータを集めています。

その結果、「血糖ブースター」をオンにすると、血糖値の上昇を促すことがわかりました。

つまり、患者さんは知らないうちに血糖ブースターをオンにしていた可能性が高いのです。

血糖値を下げるために運動や食事制限を頑張っているつもりでも、血糖ブースターのスイッチがオンになっているから、血糖値が下がらないのです。

ところで、「血糖ブースターって何?」と思ったのではないでしょうか。

ここで簡単に説明しましょう。

人間の体は、ブドウ糖(グルコース)を分解して、生きるために必要なエネルギーを作っています。食事をするとブドウ糖は「血糖」という形で血液中に蓄えられます。

血液中の血糖は、増えすぎると筋肉や脂肪などにも蓄えられるようになり、その量が多いと、いわゆる肥満になります。

日ごろ「血糖ブースター」のスイッチをONにしていないか

血糖はつねにエネルギーを作るために消費されるので、血液中の血糖は時間がたつとなくなります。血液中に血糖がなくなったときに、筋肉や脂肪から血糖が取り出されます。

これを「糖新生」といいます。

血糖ブースターのスイッチがオンになっていると、糖新生が起きて、血液中が血糖だらけになります。

これが「高血糖」の状態で、血糖値が高くなっています。この状態が続くと、やがて糖尿病になってしまいます。

ちょうどいい血糖値をキープするために、さらにいえば、糖尿病にならないようにするために必要なことがあります。

血糖ブースターのスイッチをちゃんとオフにすること。

ところが、あなたが毎日よかれと思って続けている習慣が、逆に血糖ブースターをオンにしてしまっているかもしれないのです。

あなたの糖尿病の危険度を調べてみましょう。

次のチェックリストをやってみてください。ひとつでも該当したら要注意です!

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