イラン、ヨルダンとUAEのTHAADレーダーシステムを攻撃 衛星画像で明らかに
(CNN) アラビア半島の複数の主要軍事基地を撮影した新たな衛星画像は、イランがミサイルやドローン(無人機)の飛来を探知する米国製レーダーを破壊することで防空能力を低下させようとしていることを示唆している。 【写真特集】攻撃前後を示す衛星画像(全5枚) 2日に撮影された衛星画像によると、ヨルダンにある米国製高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD)のレーダーシステムは、米イスラエルがイランへの攻撃を開始してから最初の数日のうちに攻撃を受け、破壊されたようだ。 CNNの分析によると、アラブ首長国連邦(UAE)の2カ所でも同様のレーダーシステムを収容する建物も攻撃を受けたが、装置が損傷したかどうかは不明。 レーダーは、弾道ミサイルを迎撃・破壊する高性能ミサイル迎撃システムの重要な構成要素。米国はTHAADを8基、UAEは2基、サウジアラビアは1基運用している。今回撮影されたものは、イランから800キロ以上離れたヨルダンのムワッファク・サルティ空軍基地に設置されていた。 THAADのレーダーシステムは、レイセオン社製のAN/TPY-2可搬式レーダー。2025年度のミサイル防衛局(MDA)予算によると、その費用は5億ドル(約790億円)近くに達する。 画像には、レーダー付近の砂地に直径約4メートルのクレーターが二つ写っており、命中させるには複数回の攻撃が必要だった可能性を示唆している。システムは約12メートルのトレーラー5台に分散して設置されている。全台が破壊されたか、深刻な損傷を受けたようだ。 レーダーとTHAADは少なくとも2月中旬から同基地に設置されており、3月1日ないし2日に攻撃を受けたとみられる。基地は米国の中心拠点で、戦闘開始以前に撮影された衛星画像からは、滑走路上に50機あまりの戦闘機、ドローン、輸送機が確認できた。衛星画像では確認できないものの、数十の格納庫にはさらに多くの航空機が駐機していた可能性が高い。 イランとの開戦初期に攻撃を受けたTHAADレーダーは、他にもあるかもしれない。 2月28日から3月1日の間に、UAEでは2カ所の軍事施設で少なくとも合計7棟の建物が被害を受けた。両施設ともTHAAD用レーダーシステムを保管するための車両庫が攻撃されている。 専門家によると、レーダーが損傷しても他の資産や構成が存在するため、THAADが完全に運用不能になるわけではない。ただし、能力と柔軟性は確実に低下するという。 兵器専門家で、調査会社ARESのディレクターであるN.R.ジェンゼンジョーンズ氏はCNNに対し、レーダーは容易に交換できないため、大きな損失だと指摘した。 UAEは、開戦以降、自国に発射されるミサイルの数は大幅に減少したと報告している。その数は先月28日の137発から5日には7発にまで減少したという。 しかし、ドローン攻撃は依然として頻繁で、UAEに対する攻撃の大部分を占めている。アル・ダフラ基地に米軍を駐留させている同国は、アラブ諸国の中でも特に攻撃の標的となっており、これまでに1072機のドローンと196発の弾道ミサイルが飛来している。