シリア南部で衝突再燃、イスラエルは攻撃継続を警告
[ダマスカス 16日 ロイター] - シリア南部のスワイダ県で16日午前、少数派イスラム教ドルーズ派と政府部隊の衝突が再燃した。政府が数時間前に停戦を発表したばかりだった。
ドルーズ派の住民が多数を占めるスワイダでは13日に宗派間の衝突が発生。数十人の死者が出ている。衝突したのはドルーズ派の民兵とベドウィン部族の戦闘員だったが、事態の収拾を図るため14日に現地に派遣された政府部隊が最終的にドルーズ派の民兵と衝突する形になった。
さらにイスラエルがドルーズ派を保護するため、14─15日にシリア政府部隊を空爆。イスラエルのカッツ国防相は16日、政府部隊が撤退するまで攻撃を継続すると表明した。
地元メディアのスワイダ24によると、スワイダ市と近郊の集落は16日午前、激しい砲撃を受けた。シリア政府はスワイダの非合法グループが停戦を破ったと非難した。
市民やロイターの記者によると、政府部隊は15日に民家を略奪・放火し、自動車や家財を持ち去った。ある男性は兄弟が自宅で頭を撃たれて死亡したとし、記者に遺体を見せた。
シリアには多様な民族・宗教グループが存在し、少数派の間ではイスラム勢力が主導する政府に対する不信感が根強い。
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