中学2年生、独学で国家資格など6資格取得 大卒レベルの資格も

イメージ写真=ゲッティ

 札幌市の私立北嶺中2年の里一輝(はじめ)さん(14)が、国家資格「甲種危険物取扱者試験」など計6資格に独学で合格した。試験では大卒レベルの化学の知識が求められるため、中学生での取得は非常に難しい。「周囲の応援があって合格できました」と笑顔を見せた。【和田幸栞】

寮生活で勉学に励む

 東京都出身。中学受験で友人と一緒に勉強することが楽しく、寮生活を送れる学校を志望した。全国の志望校の中から、学校や寮の生活で教員のサポートが手厚く、友人と切磋琢磨(せっさたくま)できる環境があると感じた札幌の北嶺中に進学し、寮生活を送っている。

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 父は税理士、母は看護師で、ともに国家資格を取得している。「国家資格ってかっこいい」。国家資格取得に挑んだきっかけは両親への憧れからだった。

 危険物取扱者の資格試験を知ったのは2024年の中学1年の夏休み。書店の参考書コーナーで教材が目に入った。「化学は好きだし、自分の年齢でも受験できる」。すぐに教材を購入した。

 危険物取扱者は、消防法で定められた化学薬品やガソリン、灯油などの危険物を取り扱う際に必要になる国家資格。

 試験は3種類あり、最難関の「甲種」を取得できれば全ての危険物を扱える。合格には幅広く高度な化学の知識が必要で、25年度の合格率は33・5%だった。上から2番目の「乙種」、3番目の「丙種」と難易度が低くなるほど、扱える危険物の数は少なくなる。

次の目標は化学五輪代表

 里さんは、学校の勉強をしながら危険物取扱者試験の参考書を読み、各試験で多い時には10年分の過去問を解くなど、試験勉強に取り組んだ。24年12月に初めて乙種の資格を取得できた。その後も受験を続けた。

 「一緒に勉強できる人がいて心強かった」と周囲のサポートに感謝する。独学で理解が難しい内容があった時は学校の教員に教えてもらった。同じ寮で暮らす友人も応援してくれたという。

 こんなことがあった。「アニリン」という化合物はさらし粉と反応すると紫色に変色する。この反応をなかなか覚えられなかった。友人に話すと、顔を合わせる度に「アニリンはさらし粉で紫色になるんだよ」と冗談っぽく言われるようになった。

 「友達に会いに行った時も、友達が来た時も、食事中も……。面白半分だったけど(覚えるのに)助かりました」

 25年11月に最も難易度が高い甲種を受験した。合否は友人と校内のパソコンで確認した。「受かった!」。心が躍ったが、とっさに気付いた。「学校で大声を出しちゃダメだ」。グラウンドに駆け出し、ガッツポーズで「うおー!」と叫んでいた。

 目標の国家資格取得を達成した里さん。この過程で他に国家資格「毒物劇物取扱者」も取得した。次の目標を聞いてみた。

 「高校生になったら、国際化学オリンピックに日本代表として出てみたい」

 世界中の優秀な高校生が集う舞台を目指し、化学の勉強を深めていくつもりだ。

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