「怖っ!」車内に放置した“モバイルバッテリー”が発火、一体なぜ!? 炎天下での注意点を専門家が解説

ナイトは公式Xにて、「『モバイルバッテリー』車内放置は危険です!」「最悪発火することがあります」と動画を投稿。映像には車のダッシュボード上に置かれたモバイルバッテリーがだんだんと膨らみ始め、白煙を出した後に勢いよく炎を噴き出す様子が映っています。 ナイトによればリチウムイオン電池を搭載した製品による自動車内の事故は、モバイルバッテリーが最多で40%を占めるといいます。 次いで多い充電式電動工具やポータブル電源など、リチウムイオン電池を搭載したそのほかの製品についても、「特に真夏の車内は事故リスク上昇。放置しないようにしましょう!」と注意を呼び掛けています。 この投稿にSNSユーザーからは「怖っ!」「これ見て、車からリチウムイオン電池のジャンプスターター取り出した」「気をつけよう」などの声が寄せられています。

モバイルバッテリーが発火する原因、使用・保管上の注意点について、All About 携帯電話・スマートフォンガイドの佐野正弘さんにお聞きしました。 ――なぜモバイルバッテリーは発火してしまうのでしょうか? 炎天下の車内など温度の高さと関係があるのでしょうか? 佐野:モバイルバッテリーに使われているリチウムイオンは、大きなエネルギーを蓄えられる分燃えやすい素材でもあることから、それを使用する機器には発火を防ぐ仕組みが何重にも備えられています。 しかしそれらが何らかの理由で破損するなどして、機能しなくなってしまえばたちまち発火してしまいます。熱もその原因の1つで、炎天下の車内のように、夏場に非常に高温になる環境下ではモバイルバッテリーが熱くなり、内部の安全を保てなくなって発火してしまうのです。 ――もしもモバイルバッテリーが膨らんでいるのに気付いたら、どのように対応するべきでしょうか? 佐野:膨らんでいるバッテリーは中身が劣化しているか、保存状態が悪くガスが発生してしまっている状態です。使用し続けると発火の可能性がありますので、気付いたら直ちに使用を中止して処分してください。 ただバッテリーが膨らんだ状態の機器は、家電量販店などでは回収を断られることがほとんどです。自治体での回収が基本となりますので、まずはお住いの自治体に連絡して処分方法を確認してください。 ――車内に限らず、炎天下におけるモバイルバッテリーの使用、保管上の注意点があれば教えてください。 佐野:熱がモバイルバッテリーを発火させる要因の1つですが、炎天下で使用すると外気温に加え充電中に発生する熱でも本体が熱くなり、危険性が増してしまいます。日光が直接当たる場所での使用や保管は絶対に避け、できる限り日の当たらない、涼しい場所で使用してください。 またバッテリーが熱くなるとよくないからといって、冷たいもので直接冷やすことも避けましょう。内部に結露が生じ故障の原因となることから、熱を持った場合は使用を止めて涼しい場所に置き、自然に冷えるのを待つのがベストです。 【佐野正弘プロフィール】 福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手掛けた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では行政からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手掛ける。書籍も多数出版。All About 携帯電話・スマートフォンガイド。 <参考> ナイト(独立行政法人製品評価技術基盤機構) 公式X 2025年7月1日 ナイト(独立行政法人製品評価技術基盤機構) 公式X 2025年7月10日 ※SNSのコメントは原文ママ

佐野 正弘

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