「作ってはいけなかった」北大化学部門の内部基準 撤廃後も残る懸念

毎日新聞 2026/10/1 17:01(最終更新 10/1 18:59) 有料記事 1361文字
「旧スタッフ」とされた男性准教授がいつも一人で実験に取り組んでいた実験室=札幌市北区で2024年3月、鳥井真平撮影

 北海道大理学研究院の化学部門で「教授会に組織的に孤立させられている」と訴えていた複数の准教授が冷遇されるきっかけとなった「内部基準」が撤廃された。部門は新たな方針を掲げ、組織運営の正常化を目指すが、関係者からは再発を懸念する声も聞かれた。

研究者として殺されたようなもの

 「ハラスメントのためのルールだった。これをおかしくないと考えているのであれば正気ではない」。かつて化学部門に所属した研究者は厳しく批判した。

 内部基準は、教授会にあたる「講座委員会」が2020年度に決議し、教授が不在となった研究室に残った「旧スタッフ」と呼ばれた教員を対象に、新たに学生は配属しない▽居室を移動させる▽新任教授は旧スタッフを引き受けない――などの内容だった。

 旧スタッフとされた元准教授は内部基準について「こんなものを作ってはいけなかった。外部で『教授と一緒に研究できない人』というレッテルを貼られ、研究者コミュニティー内での評判も落とされた」と振り返る。ある部門関係者は、基準を適用された当時の旧スタッフを「研究者として殺されたようなもの」と見ていたという。

 <記事後半の内容> ・現役教員の懸念 ・後戻りしないためには ・北大を去った研究者の指摘 <関連記事>

 「内部基準」撤廃し、組織正常化目指す

 アカハラ認定されても説明なく「失望」

後戻りしないための仕組み作りを

 化学部門の現役の教員の一人は新方針について「至極まっとうなもので、この通りに運営が行われれば問題ないと思う」と評価したが、「(これまで部門で)文書を作ったり、ルールを決めたりしても、結局運用が追いつかないということが起こっている。新方針がいつまで守られるかは分からないが、見守るしかない」と懸念も示した。

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