参政党に票投じた有権者 傾倒する理由と保つ「距離感」とは
20日に投開票された参院選では、参政党が14議席を獲得する躍進を遂げた。急伸の背景には何があるのか。
支持者に話を聞くと、過去の選挙の投票先も覚えていないほど政治に無関心だったのに、1年もたたないうちに傾倒するようになったきっかけや、保っている「距離感」について語ってくれた。
<主な内容> ・まるで夏フェス ・「推し活」に至るまで ・モヤモヤを氷解させたもの ・賛同できない主張はどうする?
・サポーターが語る「距離感」
フェスのような一体感
選挙戦最後の街頭での訴えとなった19日夕、東京・芝公園には大勢の人々が集まった。
党のイメージカラーであるオレンジ色を身に着けた人、子連れの家族、配信を目的にしたユーチューバー、そして参政党の主張に「レイシスト帰れ」などと抗議の意を示すカウンターデモ参加者までが入り乱れた。
演台に立つ神谷宗幣代表や候補者らの呼びかけに、聴衆は歓声で応え、身動きが取りにくいほどに人が密集したエリアもあった。
参加した男性(62)が「サマフェスかと思った」と語った場には、参政党の発表では2万人ほどが集まったという。
傾倒半年での「推し活」
選挙戦ラストサンデーとなった13日も、神谷氏が駆けつけた千葉県のJR柏駅前は大勢の人であふれかえっていた。
「他の政党もこんな規模で人が集まるんですか?」
演説終了後、余韻さめやらぬ会場で取材をしていた記者に話しかけたのは、仕事帰りで途中から演説に駆けつけたという男性会社員の中村浩一さん(44)=仮名=だ。
周辺にオレンジ色のものを身に着けた熱心な支持者が残る中、他の通行人と変わらない姿からは、一見して支持者とは分からない。
「今日、ちょっと推し活に行ってきます」
そう職場で断りを入れて定時で仕事を切り上げて、初めて参政党の街頭演説に顔を出したという。
党員ではないが数カ月前から、党がカジュアルな参加の方法として呼び…