防衛省がウクライナのスカイフォール製迎撃ドローンを取得、既に契約済み
ウクライナを訪問した小野寺元防衛相は10月1日「日本政府がウクライナのスカイフォール製無人機を試験的に購入することが決まっている」と発言し、小泉防衛相も10月9日の会見中「既に防衛省はウクライナのスカイフォール製迎撃用ドローンの取得契約を締結している」と発言した。
参考:ウクライナ無人機を試験的に「購入」 性能見極めると現地訪問の小野寺五典元防衛相 参考:防衛大臣記者会見
防衛省は迎撃ドローン早期取得プログラム(速度463km/h程度で飛行する長射程自爆型UAVに対処する無人航空機取得)を実施し、小泉防衛相は「防衛装備庁の迎撃用の無人機取得計画に38社から提案があった」「空からの脅威に効率的に対処することが必要だ」「迎撃ドローンは有力な選択肢の一つだ」「北朝鮮がドローン開発を含め通常戦力の増強にも力を入れている」「日本の安全保障にとって従前よりも一層重大かつ差し迫った脅威だ」と述べ、日本経済新聞は「迎撃ドローンはシャヘドなどを念頭に長い距離を飛んで攻撃するドローンへの対処を想定している」と報じた。
出典:TerraDrone
海上自衛隊はドローン早期取得プログラムの公募に提案された中からポルトガルのビヨンド・ビジョン製BVQ404、ドイツのクオンタム・システムズ製QS INTERCEPTOR、日本のテラドローン製TerraB1、米国のデザイン・テクノロジーズ製IonStrikeの実証試験を行い、防衛装備庁は8月25日「この結果を踏まえてTerraDroneと量産調達契約を締結した」と発表していたが、ウクライナを訪問した小野寺元防衛相は10月1日「日本政府がウクライナのスカイフォール製無人機を試験的に購入することが決まっている」と発言。
小泉防衛相も10月9日の会見中「既に防衛省ではウクライナのスカイフォール製迎撃用ドローンの取得契約を締結しており、早期の納入に向けて努めている」と明かし、スカイフォールはジェット化したゲラン3、ゲラン4、ゲラン5の迎撃に対応したP1-SUNの改良バージョン=P1-SUN JetKiller(最高時速370km、最大航続距離30km、最大高度9,000m、弾頭重量500g、オンボードAIによる終末誘導システムを搭載)を実戦投入済みで、既にゲラン5の迎撃に成功している。
P1-SUN JetKillerで最高速度350km/h~600km/hのゲラン3、ゲラン4、ゲラン5を迎撃できるのは対象が常に最高速度域で飛行しているわけではないためで、仮に最高速度域で飛行しても前方からのインターセプトコースなら迎撃でき、事前に目標を捕捉して予想進路上の高高度にP1-SUN JetKillerを待機させるなど戦術と運用の工夫で対処できるからだが、逆を言えば最高速度域で飛行しているゲラン3、ゲラン4、ゲラン5を十分な高度が稼げてない状況の後方から迎撃するには速度が足りない。
小泉防衛相が言及したスカイフォール製迎撃ドローンの取得はオリジナルバージョンのP1-SUN(最高時速310km、最大航続距離15km~23km、最大高度5,000m、弾頭重量800g)を指しているのか、長射程化とAIによる終末誘導に対応したP1-SUN Long(最高時速310km、最大航続距離33km、最大高度9,000m、弾頭重量800g)を指しているのか、それともP1-SUN JetKillerを指しているのかは不明だが、スカイフォール製迎撃用ドローンは日本が調達契約を正式に締結した2機種目の迎撃用ドローンになる。
出典:SkyFall
ちなみにP1-SUNシリーズはウクライナを代表する迎撃ドローンの1つだが、ジェット化したゲラン3、ゲラン4、ゲラン5に対応する高速化した迎撃ドローン(最高速度400km/hクラスのものまで登場している)はたくさんあり、後方からの迎撃=最高速度600km/h以上で飛べるジェット迎撃ドローンも登場しているため、どうして日本は試験用とはいえスカイフォール製迎撃ドローンの取得を決めたのか具体的な説明が欲しいところだ。
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※アイキャッチ画像の出典:SkyFall