Huawei、業界初のサイクリング時のパワーが計測可能なスマートウォッチ
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ファーウェイ・ジャパン(Huawei)は、業界初となるサイクリング時のパワーをシミュレーションにより計測可能なスマートウォッチ「HUAWEI WATCH GT 6」「HUAWEI WATCH GT 6 Pro」を10月14日に発売する。前者は6モデル、後者は3モデルが用意されており、価格は3万3,880円から。
HUAWEI WATCH GT 6シリーズはスポーツでの利用を念頭に開発されたスマートウォッチで、2018年初代モデルの投入から数えて第6世代となる。新たにハイシリコンバッテリを採用し、容量が65%増加。46mmモデルでは、通常使用において約21日間、ヘビーユースでも約12日間、GPS連続使用で40時間駆動できる。41mmモデルも従来から延びており、それぞれ約14日間、7日間、25時間駆動できる。
上位のHUAWEI WATCH GT 6 Proだけの特徴として、1.47型のAMOLEDディスプレイを搭載し、従来の「HUAWEI WATCH GT 5 Pro」からディスプレイ占有率が5.5%向上。最高輝度も1,200cd/平方mから3,000cd/平方mに向上している。表面には割れにくく傷がつきにくいサファイアガラス、フレームには航空機でも使用されているチタン合金、背面には肌に馴染むセラミッククリアケースの採用が謳われている。
そのほか、内蔵ストレージが64GBとなり、より多くの音楽やナビゲーションルート、オフラインマップ、ゴルフ場マップのダウンロードが可能になった。音楽のインポートは従来Androidだけだったが、アプリのアップデートによりiPhoneでも対応可能になった。
HUAWEI WATCH GT 6とPro共通の機能面としては、進化したヒマワリ型アンテナシステム2.0を採用。新しいアンテナ構造や位置測定アルゴリズム、2つの周波数とBeidou/GPS/Glonass/Galileo/QZSS/Navicという6つの衛星の対応により、測位精度が前モデルから20%改善した。
また、業界で初めてシミュレーションによるサイクリング時のパワー計測が可能となった。従来、サイクリング時のパワー計測には、専用のパワーメーターやサイクルコンピュータが必要だったが、本機ではリアルタイムの速度、高度の勾配、体重、車種といった情報に基づいて、シミュレーションを用いてパワーを推定することが可能となった。スマートフォンと併用することで、サイクルコンピュータとしても機能。サイクリング時の勾配機能も新たに搭載した。
サードパーティ製のパワーメーターとBluetooth経由で接続し、FTP(Functional Threshold Power)といった専門的なデータが把握可能となっている。
GTシリーズとしては初めて転倒検知および緊急通報機能を搭載。転倒を検出すると自動的に通報をしたり、スマートフォンの通信機能に基づき、事前に登録した連絡先に自動でSMSを送信することができる。
このほか、新たにウィンタースポーツアプリ「Yukiyama」を標準搭載し、スキー場の情報が把握できる。また、複数のチャネルセンサーに基づいてスキーのデータを取得可能で、滑走回数、高度、時間、距離、勾配といったデータが記録可能。また、トレッキングの際にルートデータを入力すると、常に高低差などが表示されるようになった(従来はワークアウト後のみ)。
ゴルフ関連の機能としては、Proの機能を中心に強化が図られ、無段階拡縮操作による三点間距離計測機能とハザード全景と距離表示機能、グリーンの傾斜および方向表示機能などを搭載した。さらに、ProのHONMAコラボモデルでは、ハイエンドモデルのみに搭載されていた高低差補正機能を搭載。また、クラブやショットの提案や、一打前の飛距離表示を行なう機能も備える。
ヘルスケア回りでは、新たに心電図計測機能を搭載。この機能は日本のプログラム医療機器の承認を取得済みとなっている。また、情緒・ストレス計測機能では、計測時間の短縮とアルゴリズムの向上、情緒の12段階表示が可能となった。このほか、睡眠モニタリング測定精度の向上、心拍変動の常時測定可能化(従来は睡眠時のみ)などが挙げられる。
HUAWEI WATCH GT 6の主な仕様は、ディスプレイは46mmモデルが1.47型/41mmモデルが1.32型、レンズ素材がリチウムアルミノケイ酸ガラス、ケースがステンレススチール、防水が5ATM/IP69。
HUAWEI WATCH GT 6 Proの主な仕様は、ディスプレイが1.47型、レンズ素材がサファイアガラス、ケースがチタニウム、防水が5ATM/IP69。
事前に約1週間ほど「HUAWEI WATCH GT 6 Pro」を試用する機会があった。時計としてバンドは極めて柔らかいためつけやすく、背面もよく肌に馴染むのが印象的。八角形で力強いフォルム、チタンの柔らかい光沢、やや大きめのダイヤルなど、高級感もある。
クラウン(りゅうず)が右斜め上にある、というのは「Apple Watch 7」に慣れた筆者にとって斬新な配置なのだが、この配置のほうが左手に付けた際に右手が自然な角度で操作できる。ただ、Apple Watchのようにクラウン側面ではなく、下ボタンに心電図計測用の電極を統合しているため、心電図計測時は左手を前方に伸ばす姿勢となる。
ワークアウト機能はとにかく充実しており、特に新たに搭載されたサイクリング機能や、強力なゴルフ回りの機能が印象的。ウォーキングなどは、開始時にわざわざワークアウト選択しなくても、700m程度歩くと自動的に記録するよう提案してくれるあたりもApple Watchと共通で便利だ。
試用を通じて一番印象に残ったのはバッテリ駆動時間である。今回は残量70%程度の状態で1週間弱腕につけっぱなしにして、ワークアウト、睡眠の追跡(二晩のみ)、情緒/ストレスの計測、心電図計測などをしてみたが、まだ44%も残っていた。筆者が普段使っているApple Watch 7は、当初でも持ってせいぜい2日半だったと記憶しているので大きなアドバンテージだと言えよう。
HUAWEI WATCH GT 6 ProではモバイルSuica機能がないので、Apple Watchの完全な代替とはならないのが残念である。また、Androidの場合はGoogle Playストアからコンパニオンアプリの「HUAWEIヘルスケア」や関連アプリがダウンロードできず不便だった。このあたりはぜひ各方面との連携を高め、改善していくことを願いたい。
とは言え、充実したワークアウト機能、睡眠スコアの評価、そして数少ない心電図計測機能を搭載しているなど、ヘルスケア回りの機能が充実しているのは、筆者のように健康に気を配っているユーザーにはかなり心強い。それがバッテリ長持ちでほとんどの時間つけておけるという点で、高く評価したい1本である。