【太陽系外で初めて「衛星」を発見か】73光年先で見つかった奇妙な天体が宇宙の常識を揺さぶる(スペースチャンネル)

CD-35 2722のイメージ©スペースチャンネル(AI)

太陽系の外では、これまでに6000個を超える系外惑星が確認されています。しかし、その惑星を回る「月」、つまり系外衛星については、まだ確実に確認された例がありません。

そんな中、地球から約73光年離れた恒星「CD-35 2722」の周辺で、これまでの「惑星」や「月」という分類に当てはめるのが難しい、非常に珍しい天体が見つかりました。

この天体は「史上初の系外衛星」になる可能性があります。しかし、その正体を詳しく見ていくと、私たちが考えてきた「月とは何か」という定義そのものを見直す必要があるかもしれません。

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73光年先で発見された「月のような天体」

超大型望遠鏡「VLT」©ESO/G. Hüdepohl

研究チームがヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡「VLT」を使って観測したのが、CD-35 2722と呼ばれる天体系です。中心にある恒星は太陽のおよそ半分の質量を持ち、その周囲を「褐色矮星」と呼ばれる天体が回っています。

褐色矮星は、星と同じように形成されながら、内部で本格的な水素の核融合を起こすほど大きくならなかった天体です。一般的な惑星より重く、恒星よりは軽いため、「星になりきれなかった天体」と表現されることもあります。

今回、その褐色矮星の周囲をさらに別の天体が回っていることが確認されました。つまり、中心の恒星の周囲を褐色矮星が回り、その褐色矮星の周囲を今回発見された天体が回るという、三重構造になっているのです。

問題は、新たに見つかった天体が、太陽系で私たちが知っている月とは大きく異なることです。研究チームによると、この天体は巨大なガス天体で、木星の0.9倍以上の質量であり、「惑星」と呼んでもおかしくないほどです。

ところが、恒星を直接回っているわけではありません。褐色矮星の周囲を回り、その褐色矮星がさらに恒星を回っています。

太陽系であれば、恒星を回る大きな天体を「惑星」、惑星を回る天体を「衛星」と比較的簡単に分けられます。しかし今回のケースでは、衛星の中心となっている天体そのものが、惑星と恒星の中間的な存在です。

研究チームは、この天体について「第三の天体として褐色矮星を回っているため月と呼びたくなるが、太陽系にある小さな岩石質の月とはまったく異なる」と説明しています。

「月」の定義そのものが変わる可能性も

CD-35 2722のイメージ©ESO/M. Kornmesser

今回の発見が興味深いのは、単に珍しい天体がひとつ見つかったというだけではありません。これまで私たちは、太陽系を基準にして「恒星」「惑星」「衛星」と天体を分類してきました。

しかし、系外惑星の研究が進むにつれて、太陽系には存在しないような奇妙な組み合わせの天体系が次々と見つかっています。今回のCD-35 2722も、その代表例になる可能性があります。

今後はチリで建設が進められている超大型望遠鏡「ELT」などによって、さらに多くの系外衛星が発見されることが期待されています。もし同じような天体が次々と見つかれば、「惑星を回るものが月」という従来の考え方だけでは、宇宙の天体を分類できなくなるかもしれません。

太陽系の外には、私たちが想像していた以上に多様で不思議な世界が存在しています。皆さんは、惑星ほど大きな天体でも、別の天体を回っていれば「月」と呼んでよいと思いますか?それとも、まったく新しい分類を作るべきだと思いますか?ぜひコメントお待ちしています。

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