藤井聡太竜王が受けの勝負手、佐々木勇気八段は用意の作戦ぶつける…竜王戦第6局1日目終える

 将棋の最高棋戦で、藤井聡太竜王(22)(名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖)に佐々木勇気八段(30)が挑む第37期竜王戦七番勝負(読売新聞社主催、特別協賛・野村ホールディングス)の第6局が11日、鹿児島県指宿市の指宿白水館で始まり、佐々木八段が定刻の午後6時、73手目を封じて1日目を終えた。

第37期竜王戦七番勝負第6局で封じ手を立会人の青野照市九段(右)に手渡す佐々木勇気八段(11日午後、鹿児島県指宿市の「指宿白水館」で)=若杉和希撮影

 ここまで互いに先手番で勝ち、藤井竜王が3勝2敗と4連覇に迫っている。序盤から、先手の佐々木八段が激しく攻め合う順を選び、▲5六角成と馬を作って攻防に利かせた。これに藤井竜王は△7四歩に2時間14分、△5四銀に1時間6分を投じて対応。▲9五角の王手に藤井竜王が△8四歩と合駒したところで、佐々木八段が29分考えて封じた。残りの持ち時間は佐々木八段が2時間30分以上多い。

 解説の中川大輔八段は「佐々木八段が用意の作戦をぶつけて局面をリードしてきたが、藤井竜王も受けの勝負手を放ってペースを乱した。封じ手以降、形勢が大きく動くかもしれない」と話している。

【1日目手順】▲佐々木△藤井

▲2六歩△8四歩▲2五歩

△8五歩▲7八金△3二金

▲3八銀△7二銀▲9六歩

△1四歩▲3六歩△8六歩

▲同 歩△同 飛▲5八玉

△8二飛▲8七歩△5二金

▲1六歩△3四歩▲2四歩

△同 歩▲同 飛△6四歩

▲3七桂△6三銀▲3四飛

△1五歩▲7六歩△8八角成

▲同 銀△3三金▲3五飛

△4四角▲2五飛△2四歩

▲4五飛△1六歩▲同 香

△同 香▲1三歩△1七角成

▲1二歩成△4四歩▲1五飛

△2六馬▲1四飛△2三金

▲2七歩△1四金▲2六歩

△1七香成▲2一と△4二銀

▲2三角△2八成香▲3一と

△1九飛▲4一と△6二玉

▲4二と△同 金▲3九銀

△2七香▲同 銀△同成香

▲5六角成△7四歩▲5五桂

△5四銀▲9五角△8四歩

▲封じ手

持ち時間

各8時間△4・58分▲2・26分73手

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