議員減らせば信頼回復に? 3分の1減らしたイタリアは政治不信なお

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議員定数の削減が国政の主要テーマに浮上したのは、日本維新の会の吉村洋文代表の発言が始まりだった。

「改革のセンターピン(急所)は議員定数の削減だ」。吉村氏は2025年10月中旬、秋の臨時国会で議員定数削減に向けた関連法案の成立が必要だと唱えた。自民党との連立を見据えた政策協議がちょうどヤマ場を迎えていたタイミングだ。

足元の日本の衆院議員定数(465議席)は諸外国と比べて多くない。定数削減を急ぐ合理的な理由は見当たらない。それでも自民、維新は10月20日、連立合意文書に「1割」削減を明記した。

維新は発祥の地・大阪で成功事例がある。公明党に代わる連立相手の確保を急いでいた自民が歩調を合わせざるをえなかった様相が強い。

国際的な国会議員の交流団体「列国議会同盟(IPU)」と国連人口基金によると、日本の人口100万人あたりの衆院議員は3.77人だった。

下院(衆議院)に限って主要7カ国(G7)を比べてみると、イタリアは同6.76人、ドイツは同7.49人、フランスは同8.65人、英国は同9.34人だった。日本よりも少なかったのは同1.25人の米国だけだった。

国会議員の人数を削減することは国民にどれだけ利点をもたらすのか。20年に国民投票で7割の賛成を得て国会議員定数の3分の1を減らしたイタリアの事例をみると参考になる。

当時のイタリアと日本の自維連立の現状には共通点がある。既存政党の政治腐敗を批判していた政党「五つ星運動」が与党に入り、定数削減の改革を訴えた。連立入りに際して維新が自民に定数削減を求めたのと似る。

ただ年1億ユーロ(約180億円)とされる歳出の圧縮効果は予算全体からみれば大きくない。

政治への信頼を回復する効果も乏しかった。

世界の汚職を監視する非政府組織(NGO)のトランスペアレンシー・インターナショナルによると、イタリアは政治に腐敗を感じる指数(低いほど腐敗)が直近データの24年で54だった。

平均70ほどの他のG7メンバー国と比べて政治不信が目立つ。定数削減を決めた20年の53からほぼ横ばいで、定数削減による改善はみられない。

日本は足元で多党制へ移行が進む。小選挙区で候補者が乱立しやすく、議席に結びつかない「死票」が増えるリスクも高まっている。

その中で大政党に有利とされる定数削減を急げば、多様な意見の受け皿となる小政党が埋没しかねない。政治の信頼回復には、幅広い民意をくむ選挙制度改革も進め、政治に声が届いていると有権者が実感できる仕組みを築く必要がある。

日本経済新聞社とテレビ東京による25年12月の世論調査で「定数削減と選挙制度自体の見直しを一体ですべきだ」が56%だった。「定数削減のみをすべきだ」は24%にとどまった。

与野党は衆院の選挙制度改革の議論を進めており、26年春を念頭に結論を出す方向だ。選挙区で複数の候補に票を投じられる「中選挙区連記制」などを求める声がある。

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