アングル:長期金利27年ぶり高水準、10年債入札無難でも地合い好転せず

写真は一万円札と日本国旗のイメージ。2017年6月、撮影。REUTERS/Thomas White

[東京 6日 ロイター] - 6日の円債市場で、長期金利が27年ぶり高水準の2.130%に上昇した。事前に警戒感のあった10年国債入札は無難な結果だったが、イベント通過後も相場の地合いは好転せず、円債の「買い手不在」感が鮮明になっている。

<無難入札でも金利上昇>

この日の10年国債入札を巡っては、利回り水準の高さが魅力となる一方、足元の地合い悪化や日銀の金融政策が後手に回る「ビハインド・ザ・カーブ」への懸念などに一定の警戒感がある中で、投資家需要を測る試金石として市場で広く注目されていた。

財務省が午後0時35分に発表した入札結果は、最低落札価格が市場予想並み、応札倍率とテールは過去平均並みで、入札は波乱なく通過した。

ただ相場の地合い好転のきっかけとはならず、米国債が時間外取引で売られた(金利は上昇、訂正)こともあって、午後1時ごろから長期金利はじりじりと上昇、前日比1.5ベーシスポイント(bp)上昇の2.130%で取引を終えた。

SMBC日興証券の田未来シニア金利ストラテジストは「入札は無難な結果だったが、一部で期待された年金勢の買いがなかったか、あっても打診買いにとどまったとの受け止めがあり、投資家の需要は強くないとして失望売りを誘った可能性がある」と指摘。買い手の不在が、足元の金利上昇の背景にあるとの見方を示した。

<弱気相場継続か>

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鶴田啓介シニア債券ストラテジストは「市場参加者の多くは金利先高観を抱いている」と指摘する。テーマは引き続き、円安、インフレ、日銀の利上げの遅れというビハインド・ザ・カーブのリスクで「そこが解消しない限り、債券は買いづらい状況が続く」とし、目先は債券の弱気相場が継続すると予想する。

この後、外為市場で円安が進んだり、日銀の利上げパスが不透明な中では、近いうちに2.2%への上昇も十分あり得るが、長期金利2.2%という水準そのものには、心理的節目以外の意味はないという。

10年債入札を終えた債券市場では、今週末の米雇用統計や今月22─23日開催の日銀金融政策決定会合への注目度が高い。

SMBC日興の田氏も、目先の長期金利は低下より上昇する可能性の方が高いとみるが、「もしも米雇用統計が悪い結果となり、米利下げ観測が強まって米金利が大きく低下したりすれば、円金利にも低下圧力がかかるだろう」とみる。

*6日配信の記事で、本文4段落目の「金利は低下」を「金利は上昇」に訂正します。

(植竹知子 編集:石田仁志)

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