英スタートアップPulsar Fusion、核融合エンジン構想を発表-4カ月で火星到達
宇宙開発スタートアップの英Pulsar Fusionは、核融合エンジン「Sunbird」(サンバード)の構想を先頃発表した。 Sunbirdは核融合のエネルギーを利用することで、時速約52.9万kmという超高速で飛行する。実現すれば、人類がこれまで作った自力推進の乗り物としては最速となる(NASAの太陽探査機「Parker Solar Probe」は時速69万kmに到達したが、これは太陽のスイングバイによるもの)。 理論的には、地球から火星までの移動時間を7〜8カ月から4カ月へと半分に短縮できる可能性がある。Pulsar FusionはSunbirdを「惑星間を移動する宇宙タグボート」のようなものと位置づけており、他の宇宙船に接続して核融合エネルギーの推進力で目的地に到達する(つまり、地球から宇宙に出るためのロケットとしての活用は想定していない)。 2011年設立のPulsar Fusionは英宇宙庁(UKSA)から資金提供を受けており、2025年後半にはSunbirdの二重直接核融合ドライブ(Dual Direct Fusion Drive)の軌道上テストを開始する予定だ。2027年には、宇宙空間での核融合反応の実施を目指している。 海外メディアのSpace.comは、Pulsar Fusionの目標について「野心的」と表現している。研究は進んでいるが、地球上で核融合は実用的なエネルギー源として活用されていない。 核融合を活用した宇宙での推進方式は、Howe IndustriesやHelicity Spaceなどが研究開発を進めている。
塚本直樹
*******
****************************************************************************
*******
****************************************************************************