U-17日本代表が薄氷のW杯出場権獲得!! 豪州に逆転負けも他会場劇的ドローでU17アジア杯準々決勝へ

日本が薄氷のW杯出場権獲得

[4.10 U17アジア杯GL第3節 日本 2-3 オーストラリア タイフ]  U-17日本代表は10日、AFC U17アジアカップのグループリーグB組最終節で、U-17オーストラリアに2-3の逆転負けを喫した。それでも同時刻開催の一戦でUAEが後半42分にベトナムに追いつき、1-1で引き分けたことで日本、オーストラリア、UAEが勝ち点4で並ぶことに。3チーム間の成績で日本の首位通過が確定し、4大会連続でU-17ワールドカップ出場権を獲得した。準々決勝ではA組を2位通過した開催国のU-17サウジアラビア代表と対戦する。

 引き分け以上で自力突破が決まる状況で迎えたグループリーグ最終節。ゴールを守ったのは今大会初出場のGK村松秀司(ロサンゼルスFC=アメリカ)で、GL3試合でGKトリオをローテーションする形になった。3バックは右からDF篠崎健人(市立船橋高)、DF藤田明日翔(川崎F U-18)、DF藤井翔大(横浜FMユース)。DF登録の田中遥大(FC東京U-18)が右ウイングバック、左サイドバックはMF針生涼太(清水ユース)が務め、MF樺山文代志(興國高)とMF神田泰斗(大宮U18)の2ボランチが組まれた。2シャドーは3試合連続でFW吉田湊海(鹿島ユース)とFW加茂結斗(柏U-18)の2人で、1トップも3試合連続でFW浅田大翔(横浜FM)となった。

 日本は前半3分、相手のCKをGK村松がパンチングで対応。同6分には加茂がカットインから樺山にスルーパスを通してチャンスを迎えると、樺山の折り返しに浅田が飛び込んだが相手にクリアされた。  それでもこのプレーで獲得した左CKを神田が蹴り込むと、藤田が中央ややファー寄りから左足ダイレクトボレー。後ろに戻りながら放ったシュートはGKの手を弾いてゴールに吸い込まれ、前半7分に日本に先制点が生まれた。  続く前半15分には樺山のパスで加茂が抜け出してペナルティエリア内左からシュートを打ったが、やや力が入ったか枠の上に外れた。そうした中で同18分、オーストラリアが右のハーフスペースで攻撃を展開し、MFハイン・イームズがフリーでクロスを供給。ファーサイドから飛び込んだFWアムラニ・タトゥに合わせられたが、ボールは枠の右に外れて事なきを得た。  その後はオーストラリアがボールを握る展開となり、日本が敵陣で試合を進める時間は短くなった。前半39分にはMFマックス・アナスタージオがペナルティエリア内でトラップから反転ボレーで同点ゴールを狙ってきたが、村松がしっかりとキャッチした。  日本は前半40分に久々のチャンス。神田、浅田と繋いで左サイドをスルーパスで抜け出した針生が折り返すと、加茂がペナルティエリア内中央やや左から左足を振ったがGKに防がれた。ただこのプレー後から日本も盛り返してボールを再び持てるようになり、リードを保ったまま前半を終了した。  オーストラリアは後半のスタートから10番を背負うMFクイン・マックニコルを投入。マックニコルは早々にミドルシュートを放って日本のゴールを脅かした。反対に日本は後半2分、樺山がハーフウェーラインの手前でボール奪取してドリブルで持ち運び、最後は自らシュートを放ったもののGKにキャッチされた。  両チームがゴールに迫ると後半6分、オーストラリアの左CKをDFマイルズ・ミリナーに頭で合わせられて失点。試合は振り出しに戻った。  日本は後半12分、神田が樺山のパスを受けて最終ラインの背後にボールを出すと浅田がGKと1対1に。浅田はGKをかわしにいったもののやや外に流れてシュートを打つことはできなかった。また同19分には最終ラインの背後に飛んできたボールを神田が対応しようとしたところで足を滑らせて転倒。FWアコル・アコンに入れ替われかけたものの、アコンも勢いそのまま藤田にぶつかって転倒し、ピンチを免れた。

 廣山望監督は後半20分に加茂との交代でFW小林志紋(広島ユース)を投入。ただ、W杯出場へ勝利が求められるオーストラリアが攻勢を強めていった。

 すると後半26分、中盤で樺山が痛恨のボールロストをして速攻を受ける。アナスタージオがペナルティエリア内に侵入すると対応を試みた藤田もかわされ、そのままゴール左隅にシュートを流し込まれ、勝ち越された。さらに同29分、左CKの流れからDFアレクサンダー・ガルボウスキに押し込まれ、1-3とされた。

 2点差をつけられた日本は後半32分、針生、樺山、浅田を下げてMF姫野誠(千葉U-18)とMF今井宏亮(東京Vユース)、そして今大会初出場のFW谷大地(鳥栖U-18)を同時投入。同39分には最後の交代枠で田中に代わってMF長南開史(柏U-18)を送り込み、反撃を試みた。

 追いかける日本は後半41分、今井がペナルティエリア内右深くでボールを収めて折り返したボールを谷が合わせ、今大会初ゴールで1点差に詰め寄った。ただ反撃はここまで。2-3で敗れ、自力でのグループリーグ突破は果たせなかった。  それでも試合終了から数分後、吉報が届いた。他会場で行われていたUAE対ベトナム戦で、UAEの劇的な同点ゴールが決まり、1-1で試合が終了。日本の首位通過が決まった。先に日本の試合が終わっていたこともあり、チームスタッフの端末を通じて中継映像を見つめていた日本の選手たちは、“奇跡の生還”に喜びを爆発させた。 ●AFC U17アジアカップ2025特集

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