検察不祥事暴いた「動かぬ証拠」 始まりは司法の信頼憂える通報
毎日新聞 2026/7/6 05:00(最終更新 7/6 05:00) 有料記事 1547文字
山口地検岩国支部が告訴人に送付した不起訴処分理由告知書(左の文書)に誤って検察審査員の氏名が記載された(画像の一部を加工しています)
<検察審査員の個人情報が漏れています>
始まりは、取材班の記者のスマホにかかってきた一本の電話だった。
検察審制度は誰が審査員を務めたのかを秘匿するのが大原則だ。圧力や干渉が加われば、自由に審査ができなくなる恐れがある。事実だとすれば、聞いたことがない不祥事だ。
検察審査員の氏名流出をスクープした調査報道の内幕をお伝えします。全2回の前編です 【後編】にじんだ検察の組織防衛 プライバシー流出招いた検事の理解不足
「犯人」は検察
<もう審査員になる人はいなくなるのではないでしょうか>
<検察は公表していません>
記者に電話をしてきた関係者は、制度の根幹が揺らぐことを懸念していた。流出現場は山口県岩国市だという。
「犯人」として検察を名指しした。
調べてみると、山口地検や上級庁の広島高検、最高検が検察審査員の情報漏えいを公表した記事は見当たらない。
不祥事を隠蔽(いんぺい)したのか――。取材班の中で最初に浮かんだ疑問だった。
ただし、核心をつかまずに検察に取材を試みても、かわされる可能性が高い。
周辺取材を徹底することが決まった。
電話から推測されたのは、山口地検岩国支部が検察審査員の情報を漏らした疑いだ。6月、岩国検察審査会に事実を確認した。事務局長はためらいながら回答した。
「記者の勘」事態動かす
「審査員への告訴に対して検察が捜査をした。誤って告訴人に氏名を通知してしまったという話は聞きました」
「検察からどういう説明があったのかは話せない。これ以…
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