ホルムズ海峡の再開めぐる合意 トランプ氏妥協迫られる可能性
コロンビア特別区、8月9日 (AP) ー 米国および世界にとって経済的にきわめて重要なホルムズ海峡の再開に向け、イランとの合意に達するためには、トランプ大統領は自らの流儀に反する行動――すなわち妥協――を迫られる可能性がある。 イスラエルとともに開始した対イラン戦争から5カ月以上が経過し、低下する支持率や低迷する経済、主力兵器の在庫減少といった問題に直面しているものの、共和党のトランプ大統領はそれらを事実無根と主張しており、いかなる譲歩も同大統領にとっては受け入れがたいものとなる。 ジョージ・W・ブッシュ政権で国務省顧問を務めたエリオット・コーエン氏は、「大統領は世界を勝者と敗者に分けて考えており、妥協すれば自らが敗者になってしまう。敗者というイメージは、彼にとって耐えがたいものであろう」と語る。 争点となっているのは、世界の石油の20%が通過するホルムズ海峡の管轄権だ。双方は合意に近づいているとしているものの、トランプ政権はイランによる通航料の徴収を含め、ペルシャ湾の同海峡に対するイランの支配権を固めるような取り決めを一切排除している。 しかし、イラン側は一定の管轄権を主張しており、海峡が戦前の状態のような開かれた国際水路に戻ることはないとしている。米軍による数千回に及ぶ空爆にもかかわらず、イランは依然として船舶にドローンやミサイルを発射する能力を保持しており、民間航行の要衝を握り続けている。 コーエン氏は、今回の紛争によってガソリン価格が高騰し続け、11月の中間選挙で共和党が苦戦を強いられることになったとしても、トランプ氏がイランに譲歩するのは容易ではないとの見方を示した。 一方で、第1次トランプ政権で国務次官補代理を務めたデイビッド・シェンカー氏は、増大する経済的圧力が、世界貿易に重大な影響を及ぼすとしても、結果としてトランプ氏に海峡をめぐる妥協を決断させる可能性があると指摘する。 現在、ワシントン近東政策研究所のフェローを務めるシェンカー氏は、「どちらの側からも盛んな情報操作が行われるだろうが、大統領は危機解決の緊急性を自ら示しているとみられる。これは大統領が十分に受け入れ得る譲歩かもしれない」と述べた。 米イラン両政府の高官らは、海峡再開に向けた合意に近づいていると述べている。米軍は今週、オマーン沿岸近くの自軍が管理支援するルートを通じて海峡は解放されているとし、「国際水路を通航しようとするすべての商船に対して、引き続き自由かつ開放的である」と主張している最中での動きだ。 AP通信が5日に報じたところによると、検討中の合意案は海峡をめぐる対立の一時的な解決策として位置づけられており、船舶がイラン管理下のルートを通ってペルシャ湾に入り、オマーン管理下のルートを通って出ることを認めるものだという。 トランプ政権は、イランが通航料を徴収するような取り決めには強く反対する姿勢を繰り返し示している。 (日本語翻訳・編集 アフロ)