1日1杯未満でも飲酒はがんリスクを上昇させる

中川真知子 ( GIZMODOライター )
Image: Shutterstock

若い頃は苦手だった日本酒ですが、大人になって好みが変わったのか楽しめるようになりました。

私の体と日本酒の相性がよかったらしく、グイグイ飲める。二日酔いもなく、嫌な酔い方もせず、「こんなに美味しいお酒は飲まなきゃ損」とばかりに、毎日異なる銘柄を試していました。

ただ、飲む量が増えたんですよね。正直、怖くなりました。でも、こんなに体に合うんだから、もしかしたら体にポジティブな効果があったりして…、なんて淡い期待を抱いていました。

しかし、その期待は幻想だったと思い知らされました。1日1杯未満だとしても、飲酒は複数のがんリスク上昇と関連しているそうです。ScienceAlertが伝えました。

飲酒はがんのリスクを上昇させる

「少量なら健康に良いかもしれない」と淡い期待を抱いていたのですが、今回の研究結果を見る限り、少なくともがんについてはかなり厳しい現実が見えてきます。

米ワシントン大学の研究チームは、1963年から2023年までに発表された843本の研究を分析し、アルコールと20種類の健康問題との関係を調べました。

その結果、特に目を引いたのががんです。

研究チームが調査した10種類すべてのがんで、飲酒によるリスク上昇との関連が確認されました。

しかも、その量は想像以上に少なかったのです。

1日1杯未満という少量の飲酒であっても、咽頭がん、大腸がん、食道がん、乳がん、肝臓がん、膵臓がん、前立腺がんのリスク上昇と関連していました。

なかでも咽頭がんとの関係は特に強く、飲まない人と比べてリスクが高くなることが示されています。

「少しくらいなら大丈夫」と考えがちな量でもリスク上昇との関連が見つかったことが、今回の研究で最も注目されているポイントです。

がんだけではない。肝臓や膵臓へのダメージも確認された

今回のレビューでは、アルコールとがん以外の病気との関係も調べられています。

その結果、膵炎や肝硬変、慢性肝疾患といった病気でもリスク上昇との関連が確認されました。さらに、下気道感染症や結核との関連も見つかっています。

もちろん、お酒の影響は臓器によって同じではありません。

アルコールは体内で分解される過程で有害な物質を生み出します。そのため、肝臓をはじめとするさまざまな臓器に負担がかかることが知られています。

飲んだ翌日にだるさを感じることがありますが、その裏側では体が必死にアルコールを処理しているわけです。

今回の研究は、その負担が長い年月をかけて病気のリスクにつながる可能性を改めて示した形です。

適量は健康に良いという説は?

一方で、この研究が「お酒は絶対に飲むな」と結論づけているわけではありません。

心血管疾患や2型糖尿病、アルツハイマー病については、少量から中程度の飲酒でリスクが低下する可能性を示した研究もありました。ただし、その傾向は飲酒量が増えると弱まり、やがて逆転します。

研究者たちも、「だから飲酒を推奨する」という意味ではないと強調しています。今回の研究が伝えたいのは、お酒の健康影響は私たちが思っている以上に複雑だということです。

そして少なくとも現時点では、万人にとっての安全基準値と言える飲酒量は見つかっていません

最近はお酒を飲まない人も増えてきているそうですが、私は日本酒を諦めることができそうにありません。ただ、「これくらいなら健康に良いかも」という期待を、自分に都合よく解釈するのは今日でやめようと思います。

リスクがあることを知ったうえで、それでも好きだから飲むというのが一番正直な付き合い方なのだと思います(開き直っているようにも聞こえますが…)。

Source: ScienceAlert

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