【解説】 イギリスはアメリカとウクライナの橋渡し役になれるのか バーナム氏に難題

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画像説明, 英首相官邸前で近衛歩兵連隊第12中隊の兵士たちが整列するなか、バーナム首相(中央右)がウクライナのゼレンスキー大統領を出迎えた(14日、ロンドン)

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ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領の今回のイギリス訪問は、5年目に突入したロシアの全面侵攻のなかで、これまで何度も通ってきた外交の道筋に沿ったものだ。

アメリカのドナルド・トランプ大統領はここ数カ月、ウクライナに対してはアメリカの防空技術へのアクセス拡大を約束し、ロシアに対しては制裁強化をちらつかせるなど、おおむね穏健な立場を保ってきた。

しかし先週、トランプ大統領は突然、方針を転換した。ロシア産ディーゼル燃料への制裁を解除し、ゼレンスキー大統領の交代を要求した。

ウクライナの指導者は再び飛行機に乗り込み、ヨーロッパの支援国からの支持を固めるべく奔走した。14日はロンドン、15日はブリュッセルだ。

バーナム首相にとっては、トランプ氏を批判しているように見られずにゼレンスキー氏との連帯を示すという、厄介で今やよく知られた外交上の課題があった。

それに対するバーナム氏の答えは、トランプ氏がウクライナに見せた新たな裏切りをめぐる記者団の質問に答えることを避けつつ、できる限り多くのことを述べ、発表することだった。

そこで英首相官邸は13日夜、ゼレンスキー大統領への温かい支持を表明する文書を、解禁時間を設定して報道各社に配った。

そこには、バーナム氏がウクライナへの財政支援と軍事支援を「より広範囲かつ迅速に」行うと約束するとあった。

具体的には、ジェット推進式のロシア製ドローンを撃墜するのに役立つ、軽量多目的ミサイルの納入を加速させると、バーナム氏が誓うとした。

動画説明, ゼレンスキー氏とバーナム氏が会談、なぜ今重要なのか

首相官邸前では、ウクライナ大統領に対する歓迎として儀仗兵が整列した。その後、首脳会談の開始に合わせ、写真撮影が管理された形で行われた。

会談に先立ち、バーナム氏はゼレンスキー氏に、「この困難な時期に」イギリスはあなたと共にあると告げた。

また、ロシアがウクライナの重要インフラを攻撃した今、「誰が侵略者かは明らかだ」と述べた。そして重要だったのは、トランプ氏が呼びかけた「エネルギー停戦」をめぐり話し合う用意があると述べているゼレンスキー氏について、「指導力」を称賛したことだった。

ゼレンスキー氏はこれに対し、ウクライナにとって「まさに最悪の時期」だと語った。エネルギー停戦は実現せず、むしろロシアは攻撃をいっそう激しくしていると述べた。

また、ウクライナは「アメリカとのパートナーシップを期待していた」が、米情報機関へのアクセスや人工衛星通信サービス「スターリンク」に関して、「いくらかの困難」や「多くの予期せぬ事態」があったと語った。

英首相官邸は会談後、トランプ氏がエネルギー停戦を呼びかけた後、ロシアが「民間人やエネルギーインフラに対する露骨な無差別攻撃」を開始したことを両首脳が強調したと発表した。また、「ロシアには平和への関心がないことは明らかだ」という点で意見が一致したとした。

このほか、冬を前にイギリスがウクライナへの防衛支援を加速させる方法や、他の支援国から提供された軍事装備に「イギリスの能力を後付けする」方法についても話し合ったという。

バーナム氏はこの日、毎週恒例の下院での首相質疑を行った。その冒頭では、ゼレンスキー氏への「揺るぎない」支持を表明し、将来的な軍事・財政面での支援の拡大を約束したと述べた。

野党・自由民主党のエド・デイヴィー党首は、機会があれば記者団が尋ねたであろう質問を、代わって首相に投げかけた。

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画像説明, ゼレンスキー氏(左)はチャールズ英国王とも会談した(14日、バッキンガム宮殿)

デイヴィー党首は、トランプ氏による対ロ制裁破棄の決定について、バーナム氏が意図的にコメントを避けてきたと指摘。「この議会は首相の立場を知る権利がある。率直に言って、ゼレンスキー大統領と勇敢なウクライナの仲間も同様だ」と述べ、こう続けた。

「これをウクライナ国民とヨーロッパの安全保障に対する、トランプ氏による新たな恥ずべき裏切りだと、首相は考えないのか」

これに対しバーナム氏は、「最も重い責任を背負っている」ゼレンスキー大統領にとって今は「非常に暗く困難な時期」だと認めた。

一方でトランプ氏を批判することは避け、「私の役割は、支援を取り戻すために橋を修復しようとすることだ。だから現時点では、人々を再び一つにまとめるための土台作りに慎重になる必要がある」と語った。

「それが私が果たしたい役割であり、今の私にとって果たすべき役割だ。ゼレンスキー大統領の話を注意深く聞くし、彼が今日、何も得ずにイギリスを去ることはないだろう」

言い換えれば、ヨーロッパで広く起きているトランプ氏への批判に、自分が加わることは期待しないでほしい、ということだ。

2025年2月にホワイトハウスの大統領執務室で起きた、今や悪名高いトランプ氏とゼレンスキー氏の間の対立の後、イギリスは両者の仲を修復し、和解へと導く上で重要な役割を果たした。

鍵を握っていたのは、ジョナサン・パウエル国家安全保障担当補佐官だった。パウエル氏は米首都ワシントンとキーウを行き来し、関係悪化を食い止めようと尽力した。バーナム氏は、イギリスが今回も、同様の橋渡し役を担うことを望んでいるようだ。

厳しい冬を前に、これまでよりもアメリカから支援が減少する可能性のある何百万人ものウクライナ人にとって、その任務はこれ以上ないほど緊急を要する。

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