手のひらサイズの青いタコ、新種と判明 ガラパゴス諸島で発見
科学者たちはガラパゴス諸島で新種のタコ「ミクロエレドネ・ガラパゲンシス」を発見した/Charles Darwin Foundation
(CNN) これまで未確認だった新種のタコがガラパゴス諸島で発見されたとして、米研究チームが学術誌に論文を発表した。
大きな目をした青いタコは、手のひらに載るほどの大きさ。調査団が2015年に遠隔操作の潜水ロボットを使い、水深約1773メートルの海底で堆積(たいせき)物の間を動き回っているところを捕獲した。
海上の調査船にいた乗組員は縫いぐるみのようだと形容し、別の乗組員は「ちっちゃい、かわいい子だね?」と声を上げていた。
このメスの頭足類は、調査船EVノーチラス号の乗組員が、チャールズ・ダーウィン財団とガラパゴス国立公園管理局の協力で発見した。書類手続きや物流上の問題で調査は遅れ、米シカゴのフィールド博物館に到着したのは22年だった。
同博物館学芸員のジャネット・ボイト氏は、24日の動物分類学会誌に論文を発表し、このタコを新種と特定。「ミクロエレドネ・ガラパゲンシス(Microeledone galapagensis)」と命名している。
ボイト氏は、このタコの本格的な解剖をためらったという。
標本はホルマリンで保存されていたものの、卵巣に大きな卵があったことからホルマリンが全体に浸透せず、体は比較的もろい状態だった。
「もしも間違って切ったり何かを傷つけたりすれば、それで終わりだ」「海に出るための費用は莫大(ばくだい)で、別の個体を見つけてうまく採集できる確率は高くない」(ボイト氏)
そこで同氏は専門家にも相談して、同博物館が導入したばかりのCTスキャン装置を使い、標本を傷つけずに生体構造を調べることにした。
数千枚のX線画像をデジタル化し、3Dモデルを作成して調べた結果、同氏はこのタコをミクロエレドネ属に分類した。この属のタコはほかに、ミクロエレドネ・マンゴルディという種しか存在しない。いずれもマダコ上科に属するメガレレドニ科のタコの仲間で、マンゴルディはニューカレドニア島付近の太平洋南西部で発見され、04年に記録された。
ガラパゲンシスはマンゴルディと共通する特徴が多かったものの、胴体にあたる頭の上部または後部の膜の色に違いがあり、モンゴルディは臓器を覆う膜に色が付いていた。
ボイト氏は、この2種はどこかで共通する祖先をもっていたと推定し、「そのつながりが見られる生物がこれからもっと見つかるはず」と期待を寄せている。
こうした研究は海底についての理解を深める手がかりとなる。米海洋大気局(NOAA)によると、これまでに探査が行われた海底は0.001%にも満たない。
「深海の生物多様性については分かっていないことばかりだ」「今回の発見のように、潜水するごとに、まだ見たことのない新しい何かが見つかる可能性がある」。カリフォルニア州モントレー湾水族館研究所のジム・バリー氏はそう解説している。