年収10万ドル(約1550万円)以上の層は、AI人気が急上昇。5万ドル未満ではポテチとタイヤ(ギズモード・ジャパン)
ビジネスインテリジェンス企業(企業経営に必要なデータの収集・分析・報告などを行なう企業)のMorning Consult(モーニング・コンサルト)が行なった調査で、年収10万ドル(約1550万円)超の層でAI人気が高いことが判明しました。まあ、納得の結果ですね。 この調査では、さまざまなカテゴリーにおける所得水準別の急成長ブランド(企業や製品)を分析しています。下の画像を見ればわかるように、年収10万ドル以上の所得層で最も人気急上昇なのは、Gemini(ジェミニ)とOpenAI(オープンエーアイ)で、次いでモバイルメッセージアプリのWhatsApp(ワッツアップ)が続いています。 AI関連では、Microsoft(マイクロソフト)のCopilot(コパイロット)と、OpenAIのChatGPTもトップ20に名を連ねています。OpenAIとChatGPTを足すと断トツになりますね…。
10万ドル以上の所得層で最も人気度が高いチャットボットとなると、ChatGPTが頭ひとつ抜けています。 調査結果には、「高所得層の消費者における主要7大AIチャットボットのブランド指標を比較すると、ほとんどのカテゴリーでChatGPTが明らかに首位であることがわかります」と記されています。 ChatGPTの人気は、「競合他社を圧倒する認知度」に支えられているとのこと。また、ChatGPTは、「利用を検討している割合」でも、2位との差が約10ポイントと、他者を大きく上回っているそうです。
対照的に、年収5万〜9万9000ドル(773~1530万円)の層で人気を最も伸ばしたのは、DoorDash(ドアダッシュ)とMTVなのだとか。 一方、年収5万ドル未満の首位はタイヤ販売店のDiscount Tire(ディスカウント・タイヤ。)と、小売大手ウォルマートブランドであるGreat Valueのフレンチフライ風ポテトチップスという生活感あふれる組み合わせ。 なお、低所得層ではトップ20にAIがひとつもランクインしなかったそうです。 この調査には、思わずクスッとするような別の発見も盛り込まれていて、世代別の好みに基づく分析も行なわれています。 たとえば、ベビーブーマー世代(1946~1964年生まれ)は、プリングルズに夢中らしく、Z世代でいちばん人気が急上昇しているブランドは、Uber Eats(ウーバーイーツ)とのこと。 Axiosは、Morning Consultの幹部に行なった取材に基づく記事で、調査結果について以下のように伝えています。 Morning Consultの消費者・市場分析部門のシニアディレクターであるBobby Blanchard氏は、AIツールへの関心は以前から高まっていましたが、今年は高所得層の間で「爆発的」な伸びを示したといいます。 第3四半期におけるGeminiの認知度は、年収10万ドル超の消費者の間で78%に達し、第1四半期の62%から上昇。Blanchard氏は、最も急成長しているAIチャットボットのひとつと評しています。 AIは単純な事務作業を自動化し、管理職層が仕事を進めやすくする目的で設計されているため、高所得層がAIに最も好意的なのはある意味当然かもしれませんね。 それにしても、AIの話題でまさかプリングルズが食べたくなるとは…。
Kenji P. Miyajima