「美容のために太陽光を避ける」は逆効果…医師「ヨボヨボの70代にはなく元気な90代に共通する生活習慣」(プレジデントオンライン)

5/28 18:15 配信

年齢を重ねても若々しい人は何が違うか。元・長尾クリニック院長の長尾和宏さんは「皮膚科や美容医療の分野では、日光に当たるのは避けるべき行為とされている。ただし、それでは現代日本人の炭水化物過多→肥満→糖尿病→認知症という流れが強まる恐れがある」という――。 ※本稿は、長尾和宏『歩く人はボケない 町医者30年の結論』(PHP新書)の一部を再編集したものです。■24時間いつでも炭水化物を買えるコンビニの罠 私たちの食生活は、80年前と大きく変わりました。 戦前戦後の貧しい時代には、日本人は、コメを食べられず、イモ類を食べていました。少しずつ豊かになりコメも食べられるようになりましたが、雑穀が交ざったものでした。それは血糖の急上昇と急降下、すなわち血糖値スパイクを和らげてくれていました。 その後の経済発展のおかげで白米を食べられるようになりましたが、血糖値スパイクを1日3回繰り返すことになりました。また食の欧米化でパン、パスタなども食べるようになり、炭水化物の摂取量が増えてきました。 そもそもなぜ炭水化物の割合が多いと糖尿病、そして認知症になるのでしょうか。 認知症とは、インスリンの働きが低下して脳細胞にブドウ糖が入りにくい状態です。それを脳細胞が自覚すると脳が我慢できなくなり、知らぬ間にブドウ糖を摂ってしまいます。タバコによるニコチン依存症と同じように、脳細胞がブドウ糖依存症になっている状態が認知症です。 タバコを吸うとニコチンが脳に届き、脳内にドーパミンという快楽物質が放出され、幸せな気分になります。ニコチンは脳に対する報酬なので報酬系回路と呼ばれます。 いったん脳の中にそのような回路ができると、報酬がなくなると我慢できなくなってしまいます。それが依存症と呼ぶ意味です。 ブドウ糖も同じです。ブドウ糖による報酬系回路ができて、ブドウ糖依存症になる人がいます。コンビニの普及で24時間いつでも炭水化物を買える環境になり、安易にブドウ糖を補給できるようになりました。

 その結果、ブドウ糖依存症の人が増えました。糖尿病患者が増え、認知症患者が増えている一因と考えられます。

■炭水化物過多→肥満→糖尿病→認知症という流れ 日本人にも肥満の人が増えてきました。特に子供の肥満は大きな問題です。 メタボ健診の対象者は40〜74歳ですが、私は40歳以下の肥満の問題に本格的に取り組まないと、日本の将来は危ういと危惧しています。 日本人の肥満は食生活の欧米化のせいですが、今こそ日本食を見直すべきときです。日本人が洋食をよく食べるようになったのは、戦後であり、日本人の腸内環境などの体内環境は、高脂肪食にまだ慣れていません。 日本人は遺伝的にインスリンを出す膵臓のβ細胞の機能が弱い民族なので、軽度の肥満でも簡単にインスリンの分泌が低下し糖尿病になります。つまり、現代日本人は「糖尿病性の認知症」になりやすい、とも言い換えられます。 近年、日本国内でも経済格差が拡大し、貧困のためタンパク質の多い食品の買い控えが起きています。物価高騰のなか、魚や肉は高価なのでどうしても炭水化物の割合が増えてしまうのです。 結果的に、魚や肉より安価な米飯や麺類の割合が増えてしまいます。炭水化物はブドウ糖に分解され、血糖値が上がり、膵臓のβ細胞を疲弊させ、インスリン分泌が低下します。 すなわち炭水化物過多→肥満→糖尿病→認知症という流れが強まる恐れがあるのです。他方、エネルギー消費の観点からは、歩行不足→糖の消費不足→肥満という流れも加わってきます。■太陽光を浴びないと、美容上も逆効果 皮膚科や美容医療の分野では、太陽の光を浴びると紫外線で顔にシミができたり皮膚がんになるリスクがあるので、日光に当たるのは避けるべき行為とされています。 ある程度事実ですが、私は日光浴が原因で皮膚がんになった人を診たことはありません。日光浴による皮膚がんは、主として白人の話です。そもそも紫外線はビタミンDの活性化に必須です。ビタミンDは、腸管からのカルシウムの吸収に必要で、不足すると骨粗鬆症になります。 一般社団法人ワクチン問題研究会の児玉慎一郎医師らの臨床研究によると、コロナワクチン後遺症の患者さんは血中のビタミンD濃度が低下しており、ビタミンDの補充で諸症状が改善します。ですから、高度の慢性疲労症候群の人を除けば、適度に屋外を歩き、紫外線を浴びないとワクチン後遺症は改善しません。 太陽光は脳内の「幸せホルモン」であるセロトニンの分泌を増やします。歩行習慣があり適度に歩いている人は、「セロトニン顔」になっていきます。多少のシミやシワがあったとしても、「セロトニン顔」のほうが生き生きとして、若々しい印象になります。 女性の場合は、老け顔をメイクでカバーしている人もいますが、顔はメイクでカバーできても、首筋のシワまでは隠せません。歩いていない人は、首筋に老化が現れてきます。私は患者さんを診るときに、首筋を見ると、どのくらい歩いている人かがだいたいわかりました。 男性でも女性でも、歩いていない人は首筋にシワが多く、老化が進んでいます。歩行運動には頭部を首でしっかり支えることも必要で、歩いてこなかったご婦人は首の皮膚や頸椎から老化していきます。

 「美容のためにできるだけ外に出ない」と信じている人は、「美容のためになるべく外に出て、そして歩く」というように、考え方を改めなくてはいけません。もちろん、紫外線の強い季節には、適度な紫外線対策はしてくださいね。

■太陽光に慣れていないと、まぶしく感じる 「外に出るとまぶしい」という理由で屋外を嫌う人もいます。 眼科医は紫外線による角膜障害や白内障の予防のためにサングラスを推奨していますが、光を浴びない習慣で「まぶしい」と感じやすくなっているような人もいます。目という感覚器はある程度、光に慣らすことが必要だと思います。 太陽光を適度に浴びている人は、目が慣れています。晴天の日に農作業をする農家の方は麦わら帽子をかぶっていますが、サングラスをしている人は見たことがありません。「太陽がまぶしい」とはあまり思っていないのではないでしょうか。 屋外が「まぶしい」と感じる人は、紫外線が強い真昼間を避けるようにしてください。朝夕であればそれほど感じないはずです。季節によって歩く時間帯を工夫しましょう。 80代の女性ヘルパーさんたちがバリバリ働いている介護施設を知っています。週1、2回の夜勤もこなす80代のヘルパーさんもいます。 70代の入所者よりもずっとお元気な80代のヘルパーさんの顔つきは、少し日焼けした「セロトニン顔」です。日焼けしている理由を聞くと、家庭菜園も営んでいるとのことでした。 ゴルフ場で見かける元気な90代の男性も日焼けした「セロトニン顔」の人ばかり。 80代、90代以降まで健康を維持している人の生活習慣を、是非参考にしてみてください。----------長尾 和宏(ながお・かずひろ)長尾クリニック名誉院長1984年、東京医科大学卒業。複数医師による365日無休の外来診療と24時間体制での在宅医療に従事。近著に『ひとりも、死なせへん』『ひとりも、死なせへん2』など。

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長尾クリニック名誉院長 長尾 和宏

最終更新:5/28(木) 19:00

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