「米国を飢えさせよう」韓国船舶まで脅したが…イラン、国内ではリアル貨幣暴落・ガソリン品薄(中央日報日本語版)
米国がイランの資金源を断つとして「経済的Dデー」に突入すると、イラン指導部はホルムズ海峡をてこに対抗措置に出ている。韓国海運会社「長錦商船」(Sinokor)所有の船舶までブラックリストに載せ、罰金・抑留・貨物押収を警告した。 イランが設立した「ペルシャ湾海峡当局」は24日(現地時間)、公式X(旧ツイッター)を通じ、ホルムズ海峡の通航規定に違反した船舶をブラックリストに載せ、罰金の賦課や抑留、貨物押収などの措置を取ることができると警告した。原油・液化天然ガス(LNG)・液化石油ガス(LPG)運搬船など計45隻(イラン側の原資料は46項目だが、同じタンカーの現在の船名と過去の船名が重複して記載されており、実際の船舶は45隻)が含まれた。このうち韓国の長錦商船所有の船舶も5隻が名を連ねていた。 イランは、これらの船舶と船舶間積み替え(STS)を行う船舶もブラックリストに追加する可能性があると警告した。ホルムズ海峡を行き来する小型タンカーが海峡の外で待機する超大型タンカーに原油を積み替える、いわゆる「シャトル作戦」まで遮断するという趣旨だ。ただ、イラン側は該当船舶がどのような通航規定に違反したのか具体的には明らかにしなかった。 ホルムズ海峡の外まで対応範囲を広げる可能性も取り沙汰されている。イラン最高国家安全保障会議のモフセン・レザイ事務総長が22日、「米国が繰り広げる経済戦争に参加するいかなる国も敵と見なす」と述べただけに、イランの支援を受けるイエメンのフーシ派が紅海入り口のバブ・エル・マンデブ海峡で船舶への攻撃を拡大したり、イランが米軍基地のある湾岸諸国に圧力を加えたりする可能性があるとの見方だ。西側を狙ったサイバー攻撃も対抗カード(ロイター通信)として取り沙汰されている。 イラン指導部は米国の制裁効果も低く評価した。モハマド・バーゲル・ガリバフ国会議長は24日、Xにドナルド・トランプ米大統領の「米国を再び偉大に(MAGA)」をもじった「米国を再び飢えさせよう(MAKE AMERICA HUNGRY AGAIN!)」というフレーズが入った画像を投稿した。ガリバフ議長は米国の新たな制裁を「誰も信じないはったり」とも主張した。 イランの反発は、米国が経済的圧力を強化した直後に出た。米財務省はこの日、声明を通じて「経済的追放作戦(Operation Economic Outcast)」を開始し、イランと取引する第三国企業まで二次制裁の対象にできると明らかにした。個人・企業・船舶など約60の団体・個人・船舶が新たな制裁対象に含まれた。米国務省もXを通じ、イラン革命防衛隊(IRGC)のアフマド・バヒディ司令官など主要人物に関する情報に最大1000万ドル(約16億円)の報奨金をかけた。 一方、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相はこの日、Xを通じてトランプ大統領とスコット・ベッセント米財務長官に向け「おめでとう」と投稿し、新たな制裁を歓迎した。 ◇イラン、強硬な指導部とは対照的…苦境にあえぐ国内事情 指導部の強硬な態度とは対照的に、イラン経済は急速に悪化している。AP通信によると、24日のイランの貨幣リアルの市場為替レートは1ドル=202万リアルまで下落し、過去最安値を記録した。2月25日に記録したこれまでの最安値である1ドル=165万リアルから約22%さらに下落した水準だ。また、国際通貨基金(IMF)は今年のイランの物価上昇率を68.9%、経済成長率を-5.4%と予想した。 生活苦も深刻になっている。イラン統計当局によると、7月の消費者物価は前年同月比87.9%、食品・飲料価格は128%以上上昇した。「果物とタンパク質食品を減らし、余暇も諦めた。週末も働いている」というのが現地住民の話だ。米国の海上封鎖で原油輸出が急減したうえ、雇用や企業活動も萎縮しているとAP通信は伝えた。 最近ではガソリン不足まで起きている。テヘラン各地でガソリンが底をつき、ガソリンスタンドが閉鎖されたり、車の列ができたりしているとイラン・インターナショナル(Iran International)が伝えた。イラン議会エネルギー委員会のレザ・セパフバンド報道官によると、1日の消費量が生産量を少なくとも700万リットル上回り、米国の海上封鎖以降は輸入も途絶えている。 イラン政府も経済難を認めている。イラン大統領府のモハマド・ジャファル・ガエムパナ首席副大統領は24日、「国の深刻な問題の一つがインフレで、すべての国民がその影響を受けている」と明らかにしたと現地メディアISNAが伝えた。政府は補助金が適用されるガソリンの使用量を制限し、割当量を超える消費にはより高い価格を課す案などを検討しているが、2019年のガソリン価格引き上げが全国的な反政府デモに発展した前例があり、大幅な値上げには負担が大きい状況だ。