トランプ大統領の“強硬”移民政策で異変も 建設現場で人手不足、“人生一変”も…米中間選挙で大きな争点に
アメリカ中間選挙まで1か月を切る中、大きな争点の1つがトランプ政権が推し進める強硬な移民政策です。厳しい取り締まりにより、アメリカ社会で起きているある異変とは。
■「私の怒りは11月の投票で表す」
トランプ大統領の肝いり、不法移民対策の“壁”がそびえ立つテキサス州。
記者「川を挟んですぐそこはメキシコになります。国境警備隊の姿も確認できます」
メキシコとの国境に位置する南部の街はものものしい雰囲気です。住民の9割以上をヒスパニック系が占めるこの周辺。トランプ政権が推し進める“移民政策”により、ある“異変”がみられます。
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記者「こちらの住宅、家の前はフェンスで囲われていまして工事が中断しています。そしてその隣、全く同じ状況です。その奥も手付かずの状態です」
新しい住宅がたち並ぶ一角。その一方で、建設途中のまま不自然に放置された住宅があふれていました。
建設会社経営者「ICEは現場に入ってきて、作業中でも関係なく仕事を中断させ、作業員たちを一斉に集め、車に乗せて連行した」
アメリカで不法移民などを取り締まるICE=移民税関捜査局。不法移民対策はトランプ大統領の“看板政策”ですが、ICEをめぐっては、合法的に滞在する人も拘束をしたり、職員による発砲で命を落とす人が出たりするなど、強硬な取り締まりに批判も高まっています。
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テキサス州では、建設業界で働く人の実におよそ4割が外国生まれ。建設現場では、就労資格の有無にかかわらず拘束するICEを恐れ、作業員が出勤を拒む事態にも。「人手不足」が深刻化し、工事が遅れていたのです。
作業員「ここはほかの地域よりもかなり頻繁に摘発に入ることで知られているので、みんな怖がっている。殺されることを怖がっている」
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恐れる作業員たちをICEの摘発から守るためにフェンスを設置するなどしても、状況は改善しなかったといいます。
建設会社経営者「私の怒りは11月の投票で表す。みんなそこで怒りを表すことになる」
■「拘束されるなんて夢にも思わなかった」
来月に中間選挙が迫る中、トランプ政権の強硬な移民政策により「人生が一変してしまった」家族もいます。日本テレビが訪ねたのはマディソンさん(31)。3歳の双子、ネイサンくんとナタリアちゃんを育てる母親です。
この親子の日課はテレビ電話。相手は父親のビクターさんです。
ネイサンくん「ハロー、ダダ(パパ)」
実はこの電話が家族をつなぐ唯一の時間。この家族は今、離れて暮らすことを余儀なくされているのです。
ビクターさんは5年前、深刻な経済の低迷、政情不安が続くベネズエラから亡命申請した移民。アメリカ国籍のマディソンさんとは3年前に結婚し、家族4人で暮らしていましたが、去年12月……。
マディソンさん「私は『夫(ビクター)を拘束するつもりなの?』と聞いた。すると彼は『はい』と答えた。『理由を教えてもらえますか?』と尋ねると、彼は『ダメだ』と言った」
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ビクターさんは、移民手続きのために訪れた施設でICEに拘束されたというのです。
マディソンさん「子どもたちにとっては、ある日、父親がドアから出て行って戻ってこなかった。子どもたちが知っているのはそれだけ。ネイサン(息子)は半年間、毎晩『パパ』と言っていた」
拘束されたビクターさんは7キロほど痩せ、うつ病を発症したといい、およそ100日間にわたり収容施設で生活した後、母国ベネズエラへ自主的に出国しました。
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マディソンさん「もし夫を救い出せなければ、私たちの生活がひっくり返ってしまうとわかってた。そして、実際にそうなってしまった。夫は子どもたちの世話から収入まで、私たちのあらゆる支えだった」
一家の支えであったビクターさんがいなくなり、マディソンさんは子どもたちと母親の住むオクラホマ州へと引っ越し。金銭面・養育面での支援を受けながら生活しています。
ビクターさん「拘束されるなんて夢にも思わなかった。家族に会えないことが本当に残念で悲しいし、もどかしい」
マディソンさん「夫(ビクター)のいた時が本当に恋しい。人生が止まってしまったように感じる」
トランプ政権が発足した去年1月以降、親がICEに拘束され、離れ離れになった子どもは20万人を超えると推計されています。
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マディソンさん「(トランプ氏は)全ての点で間違っている。移民問題を除いたとしても、彼(トランプ氏)がやったことの中で正しいと思うことは一つもない。たった一つも」
来月行われる中間選挙。こうした強硬な移民政策への是非も問われることになります。