【皐月賞 共同会見】クロワデュノール・斉藤崇史調教師「馬と北村さんを信じて送り出すだけ」
(皐月賞、2025年4月20日、GI、中山11R、芝・右2000m)
皐月賞へ向け、クロワデュノールを管理する斉藤崇史調教師が16日、共同会見に臨んだ。
――3戦無敗の2歳時を振り返って
「デビュー前、入厩してきたときからすごくいい馬でしたし、追い切るごとに動きも良くなってきて、デビュー戦も期待通りの勝ち方をしてくれたと思います」
――ホープフルSは2馬身差の快勝
「強い勝ち方ができたと思います。初めての中山ということもありましたし、調教でも右手前、左手前で少し違う感じもあったので、その辺を心配していましたけど、右回りもちゃんとこなしてくれて、あの形で勝てたのはすごくよかったかなと思います。(北村友)ジョッキーが馬のいいところを引き出してくれたんじゃないかなと思います。走ってきたあとも特段、疲れがすごかったということはなかったです」
――2歳時の3戦はいずれも関東圏
「最初の2戦に関しては先々のダービーということを含めて、東京の広い馬場で走りたかったということと、年末はGⅠにチャレンジしにいくということで中山でした。関西でなんで走っていないのというのには特に理由はないです」
――この中間の調整過程は
「前走が終わって、ノーザンファームしがらきさんに放牧に出しまして、早くからぶっつけで皐月賞ということは決めていたので、それに合わせてトレセンに戻してこようということで、今回に関しては1カ月ちょっとくらいの間隔を(トレセンの)中で取れるように、少し早めに戻させてもらいました。帰ってきた当初の印象としては、思ったより体がないなというところはありましたけど、その辺も含めてどうやって調整していくのかなという感じでした」
――どういう風に体を回復させていったか
「乗り込みながらしっかり食べさせて何とか、というところでした」
――追い切りには3週続けて北村友騎手が騎乗
「北村さんが3週乗って、それ以外のときは大成(団野騎手)に乗ってもらいながら、馬の雰囲気をジョッキーと話しながらやってきました」
――調整過程でどういう風に状態が良くなってきたか
「一番最初(2日=CWコース6ハロン83秒8-11秒6)に北村さんに乗ってもらったときは、まだ馬もスイッチが入ってきていなかったですし、北村さんにこの状態でどれくらい動けるのかをつかんでもらったんですけど、〝やっぱりまだだよね〟ということで。その週末(6日=CWコース6ハロン92秒0-11秒9)に大成を乗せて少ししまいを動かしたんですけど、そのくらいから馬もちょっとやる気モードに入ってきたのかなと思います」
――1週前(9日=CWコース6ハロン81秒1-10秒9)はかなりいい時計が出た
「2週前の状況も踏まえて、北村さんとは『休み明けですし、1週前はある程度しっかりやりたいよね』という話をしていたので、スイッチも入れつつ、しまいまでしっかりやろうということで動かしました。思っていた以上の変化でしたし、すごくいい追い切りができたんじゃないかなと思います。今は時計が出やすいので、その影響があるかなと思いますけど、自分から3コーナーで動いていくところとか、直線で並びにいくときの反応や動き方がすごく良くなったなと思いました」
――最終追い切りは栗東CWコースで6ハロン84秒6-11秒3
「先週しっかりやって、大体、態勢は整っているなと思ったので、今週に関してはあまりやりすぎにならないように、馬の気持ちを乗せていくような形で追い切りができたらと思っていました。時計も動きも問題なかったんじゃないかなと思います。向こう正面、3~4コーナーで馬の後ろにいるときの雰囲気も良かったですし、直線で並びにいくときもゆとりを持ったまましっかり並びにいけましたし、並んでからも気持ちを切らさずに自分のやれることをきちっとやってきたように思いましたので、よかったかなと思っています。やりたいことは全部できたので、いい形でここまで終えられたなと思います」
――馬体重はどれくらいで出られそうか
「理想は増えていてくれたらいいなと思いますけど、ちょっと減るんじゃないかなと思っています。輸送があるので何とも言えないところはあるんですけど、その辺だけですかね」
――この馬の特長は
「スピードもスタミナも持っているんですけど、やっぱり心肺機能が高いところだと思うので、そこを生かすような競馬ができればと思っています。こういう追い切りをしても全然ケロッとしていますし、すごく心肺機能が高いんだなと思います」
――ライバル関係は
「馬が力を出せるんじゃないかと思う状態でここまで来られたのが非常に大きなことだと思いますし、枠順、展開、他の馬との兼ね合いがあってレースがどうなるかは分からないですけど、北村さんも全部分かってくれていると思いますし、馬と北村さんを信じて送り出すだけだと思っています」
――この馬は斉藤崇調教師にとってどんな存在か
「何頭かGⅠホースに携わらせてもらいましたけど、その辺りともまた違った馬かなと思いますし、ウチの厩舎だけじゃなくて、日本の競馬を引っ張っていくような馬になってほしいなと思うので、一戦一戦、大事にやっていきたいなと思います」
――斉藤崇調教師はホープフルS後に北村友騎手への思いも語っていた
「クロノジェネシスでGⅠを何個も勝たせていただいて、凱旋門賞も北村さんで行くという話までしていたなかでのけがだったので、最後まで一緒に行けなかったという残念な思いも残っています。またこういう巡り合わせがあったので、これを大事にしてこれから先もやっていけたらと思っています」
――最後に意気込みを
「当然、人気もするでしょうし、皆さんの期待を背負っているのは分かっているんですけど、ここまで馬も必死に耐えてトレーニングをしてきましたし、いい状態で送り出せるような形で追い切りも終えられたので、あとは当日どんな走りをするのか、北村さんがどういう風に乗るのか、楽しんで見て応援してもらえたらなと思います」