ターンオーバーや交代策などできる限りのマネジメントを尽くした。今季の公式戦60試合目は完璧な勝利 [ACLE セントラルコースト戦レビュー]

背番号17が試合の趨勢を決める2ゴール

キックオフからわずか6分、これ以上ない形でゴールネットが揺れる。

相手陣内中央でボールを受けたアンデルソン・ロペスが流れるようなターンから左サイドへ展開。パスを受けた井上健太の外を永戸勝也がオーバーラップする。相手選手が背番号2へ意識を寄せた瞬間を見逃さず、井上は中央方向へカットイン。そのまま右足を振り抜くと、右ポストに当たったシュートで先制に成功した。

30分には再び井上が追加点をもたらす。自身が起点となって中央の小池龍太へ。ボランチ起用が続く背番号13が相手ディフェンラインの背後へ走り込んだ山根陸へパスを送り、DFに当たった折り返しのボールをそのまま狙う。リフレクションボールに反応したのが背番号17だった。

こぼれ球を拾い、自然体のままシュートを放って2-0。試合展開と実力差からすると、試合の趨勢を決めるチーム2点目である。

2日の連戦で、なおかつエウベル不在によって貴重な先発のチャンスを得た。それは自身の生き残りをかけた勝負の時間と言ってもいい。存在価値を示すのに手っ取り早いのは、ゴールを決めること。アシストやお膳立ても大切だが、目に見えるスコアラーに勝る価値はない。

井上が約200人集ったスタンドのサポーターに勝利を届けた。

「ホームのような雰囲気を作ってくれたことは当たり前ではないし、僕たちは彼らのための全力でプレーしようと思います。パワーをくれる存在なので、しっかりと噛みしめてやることができたし、感謝しています」

感謝の気持ちを示すハイパフォーマンス。南半球で鮮烈に輝いた井上がトリコロールを勝利へ導いた。

グループAの首位に浮上

前半のうちにアンデルソン・ロペスの技ありゴールで3-0としたマリノスは後半も危なげなく試合を進める。そして70分、一筋の閃光が走る。天野純が放った直接FKに対して相手GKは一歩も動けず、右ポストに当たってゴールイン。アウェイの地で4-0の完勝を収めた。

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