日産、新型「エルグランド」登場 イヴァン・エスピノーサCEO「日産の将来のビジョンを反映させ、完成したアイコニックなモデル」
日産自動車は10月29日、「ジャパンモビリティショー 2025」(プレスデー:10月29日~30日/一般公開日:10月31日~11月9日)の会場において新型「エルグランド」(4代目)を公開。「パトロール」を2027年度前半に日本市場に投入することも発表した。
2026年夏に発売される予定の新型エルグランドは、第3世代のe-POWERハイブリッドシステム、進化させた電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」、インテリジェントダイナミックサスペション(IDS)を採用するなど、現状同社が持ちうる最新技術を用いることで走行性能を強化するとともに、ボディサイズは4995×1895×1975mm(全長×全幅×全高。数値は日産測定値)とし、現行モデルの4965×1850×1815mm(同。2WDの350 Highway STAR)から30mm長く、45mm広く、そして160mm高くなった。
また、会場には年度内にマイナーチェンジを予定する「アリア」に加え、4月に中国で発売した新型「N7」、欧州市場向けに開発して5月に発表した新型「マイクラ」なども展示。「N7」「マイクラ」は戦略的パートナーとの連携により、地域特有のニーズに寄り添ったBEVとなる。
N7は自分の楽しみや家族との時間などのパーソナルライフと仕事のバランスを大切にする価値観を持つ、若いファミリーユーザーをターゲットとし、58kWhと73kWhの2種類のバッテリを設定。最大635kmの航続距離を実現した。また、Momentaと共同開発した高度な運転支援技術「ナビゲート・オン・オートパイロット」や、AIを駆使してシートを調整する姿勢適応システムを備えた「ゼロプレッシャーシート」などの先進技術を搭載。中国での多様なニーズに対応するため3グレードを用意する。
一方、6代目となる新型マイクラは2025年後半に欧州市場で発売される。欧州Bセグメント市場に向けて開発されたモデルとなり、バッテリ総電力量40kWhで航続距離308km、最高出力90kW/最大トルク225Nmを発生するモデルと、バッテリ総電力量52kWhで航続距離408km、最高出力110kW/最大トルク245Nmを発生するモデルの2種類のバッテリ仕様を設定した。5ドア仕様のみとなり、ボディサイズは全長4000mm未満、全幅1800mm未満で、ホイールベースは2540mm。ホイールを車両の四隅に配置することで、室内空間の確保とダイナミックなスタンス、機敏性と安定性のバランスの最適化を実現したという。
ジャパンモビリティショー 2025のプレスカンファレンスでは、壇上で新型エルグランドが公開されるとともに、代表執行役社長兼最高経営責任者(CEO)のイヴァン・エスピノーサ氏がプレゼンテーションを行なった。
エスピノーサ氏は冒頭、「厳しい経営状況下でも日産は大胆に、エネルギッシュに、より良い未来を作るべく邁進しています。経営再建計画『Re:Nissan』の取り組みを通じ、改めてお客さまにより喜んでいただけるように、考え方を見直しました」と報告するとともに、「日差の描く未来はインテリジェントモビリティです。先進技術を活かし、明確な目的を持った商品群、革新的なソリューションやサービスで未来を形作っていきます」。
「当社は戦略を見直し、コアモデル、ハートビートモデル、そしてパートナーシップモデルの3本柱を中心に市場にご提案していきます。コアモデルは市場のニーズにお応えする頼りになる手ごろなモビリティをご提供します。ハートビートモデルはお客さまの心に火をつけ、日産の大胆なデザインと開発の精神を体現する商品群です。また複数の戦略的なパートナーシップを活かし地域の事情に適したラインアップを拡充していきます。これら3つ全ての柱にEV、e-POWER、内燃機関と、車種ごとの目的と市場ニーズに合わせた適切なパワートレーンを設定します」と説明。
また、国内市場を再始動させるとして披露した新型エルグランドについては、「洗練された優雅なエルグランドは、タイムレス ジャパニーズ フューチャリズムというテーマのもとに開発されました。日産の将来のビジョンを反映させ、完成したアイコニックなモデルをご覧ください。乗り込むと最高のおもてなしで温かくやすらげる、洗練された空間が迎えてくれます。定評のある日産のおもてなし精神を体現したエルグランドには、第3世代のe-POWERと進化した電動駆動4輪制御技術『e-4ORCE』を搭載しています。新型エルグランドは知能化、効率性、そして深いつながりを実現する新たな時代へと皆さんを誘います。比類なき快適性、安全性を実現する新型エルグランドは来年の夏発売予定です」と紹介した。