ひろゆき「Fランでも大学には絶対に行くべき」…就職・転職で有利になる"コスパ最強の資格"とは 「大学なんてムダだ」なんて言葉を信じると痛い目に遭う
人生で役に立つ資格はあるのか。2ちゃんねる創設者のひろゆきさんは「僕が若い人全般におすすめする資格・スキルは『大卒カード(大学卒業資格)』と『英語力』だ。専門学校に行くより、奨学金を借りてでもFラン大学に行くほうが役立つだろう」という――。
※本稿は、ひろゆき『僕が若い人たちに伝えたい 2035年最強の働き方』(Gakken)の一部を再編集したものです。
写真=本人提供
「就職に役立つ資格・検定」トップ30
仕事の選択肢を広げたい。より高い給料の仕事がしたい。あるいは人生の一発逆転をしたい。
そんなときに多くの人が考えることは、資格を取ることかもしれません。
参考までに、「日本の資格・検定」というサイトで発表されていた「就職に役立つ資格・検定ランキングTOP30(2024年度版)」は図表1のようになっていました。
運転免許を除けば、いずれもひとつのことを長時間勉強して、何かしらの専門性を身につけたことの証明であることが伝わってきます。
これこそ、まさに資格の強み。
資格というものは基本的に、他人が見ても「その道のプロ」とわかるよう、専門性にお墨つきを与えるもの。たとえば、長年にわたってワードとエクセルを実務で使いこなしてきた人でも、転職時の面接で「パソコンは得意です」としか言えなければ、アピールに欠けてしまいます。
逆にあまり事務経験がなくても「MOSの資格持っています!」と言える人のほうが、客観性が担保され、高く評価されるのが資格の強みです。
「この資格を取れば安泰」とは限らない
ただ、資格に関して僕がよく感じることは、「この資格を取れば将来安泰」という考え方自体が、もしかしたら時代遅れかも、ということです。
たとえばカラーコーディネーターの資格を取ったところで、そもそもカラーコーディネーターという仕事はありません。
配色に関するスキルはインテリアデザイナーやプロダクトデザイナー、CADオペレーター、ウェディングプランナー、フラワーアレンジといった、デザイン系の仕事に就く人が持っていたら有利な「知識」というだけで、資格を持っていなくても総合的なデザイン力で評価される世界ではマストな資格ではないかもしれません。
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「日本の大学に行ったところでどうせ勉強しないんだから時間と金のムダ」 「大学に行かなくても社会的・経済的に成功する方法なんていくらでもある」
「社会人として成功するスキルは大学では教えてくれない」
最近、こういった意見を耳にします。これを真に受けると危険です。
こういう意見を声高に語る人に限って、めちゃくちゃ優秀で、道なき道をゴリゴリ切り開けるサバイバル能力マックスの人だったりします。つまり、「学歴」というものに一切頼らなくても、自分の能力やスキルでお金を稼げる人たちです。
でも、残念ながら世の中のほとんどの人は、僕を含めて凡人です。そんなすごい能力を持ち合わせていません。
そんな普通の若者が「大学なんてムダだ」という言葉を信じて大学にいかないとどうなるか? 就きたい職業が見つかって採用面接に行くと、「ああ、高卒ですか」と一蹴される可能性が高いわけです。
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです
学歴フィルターはいまだに残っている
かつてソニーは採用プロセスにエントリーシートを導入し、出身大学を一切不問としました。その取り組みを他社も積極的に真似するようになったことで、まるで日本では「学歴社会なんて過去のことでしょ」といった印象を受ける人もいるかもしれません。
学歴に頼らない生き方が選択肢として増えたのは事実です。でも、学歴社会自体がなくなったわけではありません。
そもそも公務員だってそうですよね。公務員のなかでもハイキャリアの国家公務員総合職を目指す場合、「大卒」以上の学歴が必要です。
大卒資格と高卒資格の待遇差(初任給の違いなど)も歴然としてありますし、社会全体もそれが悪だと思っていないので(社会人でも大学に行ける時代なので)、しばらくは是正される可能性は低いんじゃないでしょうか。
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もちろん、就職で大きなアドバンテージになる資格はあります。医師や司法試験(弁護士、検事、裁判官)、公認会計士、司法書士、税理士、不動産鑑定士のような最難関の国家資格になれば、将来生活に困るようなことは考えにくいでしょう。
ただ、それでもAIの発達と普及によって仕事が減ったり、収益化が難しくなることは十分考えられることです。
たとえばDX先進国のエストニアでは税務処理の自動化がどんどん進んで、税理士の需要が激減しています。
訴訟社会のアメリカでは弁護士がたくさんいるわけですが、過去の判例に基づくアドバイスならAIのほうが圧倒的に早く手軽なので、アメリカ社会全体として賃金が上昇しているのに弁護士の収入は下落しているそうです。
免許取得のハードルが高い日本の薬剤師も、結局やっていることは薬に関する膨大な知識を暗記することと調剤なので、AIとロボットに置き換えたほうがはるかに正確で早く業務を回すことができます。
人間の薬剤師がいきなり「全部不要!」となることは考えられませんが、規制緩和に伴い、採用の門戸が狭まっていく可能性はかなり高いと考えられます。
絶対に有利な「大卒カード」と「英語力」
大事なのは事前の見極め。「何十時間、何百時間もかけて資格を取ったところでそのコストに見合うリターンはあるのか?」という冷静な判断が必要になると思います。
これからの時代を「楽しく生きる」にせよ「しぶとく生きる」にせよ、僕が若い人全般におすすめする資格・スキルは2つあります。
それは「大卒カード(大学卒業資格)」と「英語力」です。この2つを持っていることは絶対に有利です。もちろんこれらがなくても人生で幸せをつかむ選択肢はいくらでもありますが、将来の不安を少しでも軽減したいなら、大学を卒業することと、英語を勉強しておくことをおすすめします。
この2つの強みを持っていることで、人生の選択肢にめちゃくちゃ大きな差が生まれると思っています。
英語については本書の第6章で単独で取り上げるので、ここでは大学について話をしておきますね。