パウエル議長解任ないとの予想大勢、トランプ氏が批判でも-調査

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が任期を全うするとの見方が投資家の大半を占めることが、最新のマーケット・パルス調査で示された。

  17、18両日に実施された調査によれば、回答した146人の大半は、パウエル議長が2026年より前にFRBを去ることはないとみている。同議長の任期満了は同年5月。トランプ米大統領はここ数週間、金融政策を巡り批判を繰り返しているが、実際に解任に踏み切るとの見方は少ない。

  今週の市場では、パウエル議長が任期途中で退任した場合にどんな影響が出るかが垣間見られた。トランプ氏がパウエル議長を近く解任する可能性が高いとの報道が16日に伝わった際には、株式や債券、ドルが売られた。ただその数時間後にトランプ氏は報道を否定した。

関連記事:パウエル議長解任の「現実味ある脅威」に市場動揺-トランプ氏が火種

  バークレイズの通貨ストラテジスト、スカイラー・モンゴメリー・コーニング氏は「仮に議長解任に向けた協調的な動きがあったとしても、市場はそれを織り込んでいない」と述べた。

前例のない動き

  パウエル議長が解任された場合には史上初の事態となり、法廷闘争に持ち込まれて最終的には連邦最高裁で争われる可能性が高いとの認識がある。それでも、議長が解任された場合の影響を懸念する声がある。

関連記事:トランプ氏がパウエルFRB議長解任なら何が起こる-QuickTake

  その場合には、30年物米国債利回りが40ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)強上昇し、ドルが約4-6%下落するとドイツ銀行のストラテジストは予想する。前例があるとしても、いずれも歴史的な動きになるだろう。

  調査回答者も同様の見解を示しており、パウエル氏が解任されれば、長期国債とドルが最大の打撃を受けると指摘した。イールドカーブのスティープ化を念頭に置いた取引などが、市場の対応として想定される。

ウォラー理事が最有力候補

  パウエル氏の後任候補の中で最も信認を得ている人物は誰かと尋ねたところ、ウォラーFRB理事がトップで、次が僅差でベッセント財務長官だった。

  ウォラー氏は18日のブルームバーグテレビジョンのインタビューで、労働市場を下支えするために今月にも利下げを行うべきだの考えを示した。7月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で他のメンバーが金利据え置きを支持する場合でも反対票を投じると示唆した。

関連記事:ウォラー理事、反対票も辞さず-7月FOMC据え置きの場合 (1)

原題:Investors Say Trump Bid to Sack Powell Will Fail: Markets Pulse(抜粋)

関連記事: