避けられない悲劇ではなかった…たばこポイ捨てで火災、殉職22歳消防隊員の遺族コメント
消防隊員2人が殉職した昨年8月の大阪・道頓堀でのビル火災で、たばこのポイ捨てで火災を招いたとして、大阪府警が重過失失火容疑で会社員の男(35)=大阪市都島区=を書類送検したことを受け、殉職した消防士、長友光成さん(22)=年齢、階級はいずれも当時=の遺族は15日、大阪市消防局を通じて「悔しさとやるせない思いが込み上げ、改めて深い悲しみに包まれています」などとするコメントを出した。内容は次の通り。
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出火原因が人為的なものであったことを知り、この悲劇は決して避けられないものではなかったと思うと、悔しさとやるせない思いが込み上げ、改めて深い悲しみに包まれています。
一方で、これまで懸命に捜査を続けてくださった捜査関係者の皆様をはじめ、この一年の間、現場へ足を運び、献花やお供え、温かいお言葉を寄せてくださった皆様、そして故人を偲(しの)び続けてくださったすべての方々に、心より御礼申し上げます。
出火原因はたばこによるものであったとされていますが、被害が拡大した背景には、建築基準法の違反をはじめとする安全管理上の問題もあったと受け止めています。
息子のことを振り返ると、学生時代には体育祭で団長や学級委員長を務めるなど、リーダーシップのある子でした。
今でも毎月のように多くの友人が会いに来てくださり、息子との思い出や楽しかった出来事を話してくださいます。
友人からは「面白い」「怒っている姿を見たことがない」と言われており、親しみやすく、多くの人から慕われる存在だったと聞いています。
そのたびに、改めてどれほど多くの人に愛されていたのかを実感しています。
また、現在の息子の部屋は、あの日からほとんどそのままです。
TWICEが大好きで、部屋には大切に集めていたグッズを「いつでも帰ってこられるように」という家族の想いを込めて、飾っております。
扉を開けると、今でもそこで過ごしているのではと思いながらも、失った耐えがたい悲しみを抱え続けています。
今回の悲劇を決して無駄にしないためにも、たばこの火の取り扱いに対する一人一人の意識の向上が図られ、防火対策に関する関係法令の遵守(じゅんしゅ)や、違反に対する指導・是正がより一層強化され、二度と同じような火災の発生により、尊い命が失われることのない社会となることを強く願っております。
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大阪府警は14日に重過失失火容疑で当時ビル内の飲食店で働いていた男を書類送検した。
書類送検容疑は昨年8月18日午前9時半ごろ、大阪市中央区宗右衛門町のビルの室外機付近の溝にたばこを火の付いた状態で捨て、ビル2棟延べ約300平方メートルを焼損させたとしている。
府警は、重過失致死容疑の適用も検討したが、消防隊員2人が死亡する結果までは予見できなかったとして見送った。
府警によると、付近の防犯カメラから男の関与が浮上した。ポイ捨てした周辺にはペットボトルやポリ袋などが散乱。それらに燃え移って延焼した。男はビル周辺で日常的にたばこをポイ捨てしていた疑いもある。
火災の発端はたばこの不始末だったが、燃焼を拡大させる一因となったのは建築基準法に反する屋外看板の存在だった。高さ3メートルを超える看板は不燃材料を用いる必要があるが、現場ビルに設置された3つの看板はこれに違反していた。
大阪市は火災発生後、道頓堀川に面した屋外看板を対象とする実態調査を実施。建築基準法の規制対象となる110件のうち、基準に適合する不燃材料で作られていたのはわずか30件だった。59件は不適合で、残り21件の調査を進めている。不適合とされた看板は市の是正指導に従って取り換えや撤去作業が行われているという。