Microsoft、警察庁などと協力し中国語利用の国際的サイバー犯罪組織を解体
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発端になったのは、警察庁がMicrosoftに提供した情報だった。Microsoftは10月14日(現地時間)、日本の警察庁や各国の法執行機関と協力して、サイバー犯罪を支える国際的な電子市場を解体に着手したと発表。日本を含む世界中の被害を抑止するための調査結果と対策もまとめた。
当初は個別の攻撃活動の調査になると見込んでいたが、調査の過程で中国語で運営される巨大な違法電子市場にたどり着いた。ドメインの差し押さえやアカウントの無効化などにより、すでに違法な電子市場を閉鎖させているなどの成果が出ているという。
Microsoftによれば、事の発端は2025年後半に、日本の個人や企業を狙う悪意あるメッセージの攻撃について、警察庁がMicrosoftに情報を提供したことだったという。
Microsoftが警察庁や国内外の複数の機関と協力して調査を進めていった結果、中国語を利用して運営されている巨大な違法電子市場を特定することに成功した。そこでは、アカウントやツール、偽サイトなどが売買されていた。
その後、調査は世界規模に広がり、一般財団法人日本サイバー犯罪対策センター(JC3)、Resecurity、Cloudflare、Oracle、Proofpoint、TRM Labsなどが協力して調査にあたった。その結果、違法な電子市場を構成する3つのサービス「YAM Store」、「CoGUI」、「Iron Man」を突き止め、その解体に着手したのだ。
YAM Storeは不正アカウントやツール販売のオンラインショップ。CoGUIは偽Webサイト作成と個人情報盗用ツールを提供。そして、Iron Manは多様ななりすましテンプレートを用い、銀行や政府を装う攻撃にまで手口を拡大させた。
Microsoftによると、犯罪者は75,000以上の組織を標的に10億通超の悪意あるメッセージを送信。標的は150か国以上で、その違法な利益は数千万ドル規模に達しているという。
そうした構造が判明してから、Microsoftは米国の法執行機関などとも連携し、対策を開始。米国裁判所の命令により、ドメインを差し押さえ、インフラを削除。また、2万件超のアカウントを無効化し、詐欺支援インフラを閉鎖させることに成功した。
Microsoftによれば、今回の調査では各国の組織と連携しながらAIツールも活用し、犯罪エコシステムの全体像を明らかにしたという。その上で、巨大な違法ネットワークを断つ重要性を示し、被害抑止に向けた協力と技術強化を推進していくという。
このように、サイバー攻撃を行なう攻撃者は、国境を越えて活動する犯罪組織であるケースが増えている。そういった組織にツールや情報などを提供するオンラインストアなどの規模も巨大化している状況だ。
そういった攻撃は、一私企業や、一国家で対処できるレベルではなくなってきており、IT産業全体や、日米欧などの複数の国家が協力して対処しなければならない状況になっている。
日本でも昨今、多くの企業で個人情報流出やランサムウェアの攻撃により事業継続が難しくなるなどの事態が発生している。安全なデジタル社会を実現する上で、こうした国境や企業の枠を超えた取り組みは今後さらに重要になっていくことが予想される。