バーチャル業界のトレンドは「VRヘッドセット」から「ARグラス」へ
リサーチファームのCounterpointによる、AR/VR業界に関する最新レポートが公開されました。VRヘッドセットの出荷台数が減少傾向にあり、バーチャル業界のトレンドはヘッドセットからARグラスに移行しているといいます。
減少するVRヘッドセットの出荷台数
Counterpointのレポートによれば、2024年のVRヘッドセット出荷台数は減少しており、前年比12%減。2024年第4四半期だけで5%減。つまり、VRヘッドセットで圧倒的シェアをもつMetaによる、比較的安価なMeta Quest 3sがリリースされるも大きなテコ入れにはならなかったということです。
ただし、VR市場の中だけでいうと、Meta Quest 3sは功を奏したようで、マーケットシェアは伸ばしています。それとは逆に、価格の高いApple(アップル)のVision Proはジワジワとシェア減少傾向。
VRヘッドセットのマーケットシェア。Image: Counterpointより軽くて手軽なARグラスへ
アナリストの解説によれば、今後2年はVR市場が成長することはないといいます。主な理由はコンテンツ不足と、どの機種えも聞こえてくる「重い」「長時間の装着はツライ」という不満の声。これは、ここ数年ずっと言われていることですが、どうしても技術的に解消が難しいのが現状です。
VRヘッドセットの減少と相反して、企業・消費者からの注目が高まっているのがARグラス。Counterpointの予想では、今後2026年に向かってARグラス市場は30%の成長を見せるといいます。
Metaでは、Ray-Banとのコラボグラスが思わずヒットしたことから、さらなるコラボプロジェクトや展開拡大が噂されています。この1年を今後何十億というARグラスを世に送り出すことになるかもしれない鍵となる年だと語ったマーク・ザッカーバーグ氏もやる気十分。Google(グーグル)とSamsung(サムスン)は、タッグを組んでVRヘッドセットProject Moohanを進行中ですが、それとは別にARグラスの展開も視野に入れているようだと噂されています。また、今年のCESでもARグラス関連のブースが非常に多く見られました。
ARグラスに求めらるのは、軽量化とウェアラブル端末として日常で使える機能です。マルチモーダルAI搭載で、視覚を共有できるAIアシスタント機能に期待が集まっています。
Source: Counterpoint