JLPGA開幕戦で連覇を達成した岩井千怜のピンを刺すウェッジショットをプロが解説【勝者のスウィング】
国内女子ツアー開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」を連覇した岩井千怜。サンデーバック9で5つのバーディを奪ったスウィングをみんなのゴルフダイジェスト特派記者でプロゴルファーの中村修が解説。
初日は横殴りの雨、2日目は強い風とタフなコンディション、3日目、最終日は硬く速くなったグリーンに難しいピン位置と昨年の優勝スコアの18アンダーから10アンダーへと下がった今大会。
優勝した岩井千怜選手は、タフなコンディションに「闘争心を前に出さないように、Stay Calm(落ち着いて)でプレーしました」と優勝会見では語りました。国内ツアー8勝に加えて海外での様々な経験から身につけたマインドで、終盤にバーディを重ねて初優勝を狙う菅楓華を退けました。
終始安定しチャンスメークを演出したウェッジショットを見てみましょう。左手の甲がやや見えるストロンググリップで握り、フェースを開かないようにしながら手前を体の正面から外さないように始動していきます。
硬いゴムの板をねじるように体幹の力を抜かずにトップまでねじり、ダウンスウィングのエネルギーを蓄えています。
手元を体の正面から外さずにフェースを開かないようにテークバックする
切り返しから上体が開くことなくクラブを引き下ろし、しっかりと入射角を保ったダウンブローでボールを捉えます。
お腹の力を抜かずにダウンスウィングに入ることで前傾姿勢をキープしながらインパクトを迎える
お腹の力を緩めずにダウンスウィングすることで、前傾姿勢がキープされ、力強く再現性の高いインパクトを迎えることができています。
桑木志帆選手をサポートした関係で、年始からのタイでの岩井姉妹との合同合宿に参加し、彼女たちのハードなトレーニングを目の当たりにしました。
体幹トレーニングを中心に上半身、下半身と毎日筋肉痛になるほどハードなトレーニングを積んだタイ合宿
体幹トレーニングを中心に上半身、下半身と毎日筋肉痛になるほどトレーニングを積みながらもラウンドもこなすスケジュールに自ずと体も心も日々鍛錬されていく様子が見て取れました。
そうした地味で地道な日常の積み重ねが、タフなコンディションの試合でも集中力を切らさずに最終日のバック9でベストなパフォーマンスを発揮することにつながると、改めて教えられた今季初勝利となりました。
中国では竹田麗央選手が一足先に米LPGAツアー初優勝を飾りましたが、千怜選手だけでなく姉・明愛選手も後に続くことでしょう。
写真/岡沢裕之、中村修