ウクライナと米国、鉱物資源取引の草案でほぼ合意-関係者
- 米、「自由で主権と安全が保障された」ウクライナにコミット-草案
- 安全保障巡りなお溝か、「安全保障確約は別問題」とウォルツ氏
ウクライナは、国内の鉱物資源の一部を米国に譲渡する取引について交渉の最終段階に入っている。ステファニシナ副首相(欧州統合担当)が明らかにした。
トランプ政権は3年にわたりロシアの侵攻が続くウクライナの停戦を仲介する上で、米国が提案するこの取引が欠かせないと主張。合意を目指し、米国とウクライナは集中的な交渉を続けている。
交渉が非公開で行われていることから匿名を要請した関係者によると、新たな草案がほぼ合意され、米国の返答待ちの状態にある。
この草案で、米国は鉱物取引の一部として「自由で主権と安全が保障された」ウクライナと「恒久的な平和」にコミットすると表明。ウクライナとの「永続的なパートナーシップ」にも同意し、同国への投資意思を示唆する。ブルームバーグは草案内容を確認した。
米国はまた、戦争でウクライナに敵対的な行為をとった国や地域が復興で恩恵を受けることがあってはならないとも明言する。草案はまだ最終決定されておらず、文言の変更はまだあり得ると、関係者はくぎを刺した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は23日の記者会見で、米国は支援の対価として資源採掘で5000億ドル(約74兆6800億円)の支払いを確約するよう求めていたが、この要求は取り下げられたと説明。米国のこれまでの支援は900億ドル近くでしかないとし、米国の軍事支援を伴う取引でなければ応じることはないとゼレンスキー氏は主張した。
ステファニシナ氏は「極めて建設的な交渉が続き、ほぼ全ての重要な詳細は確定した」とX(旧ツイッター)に投稿。「米国とウクライナの首脳がワシントンでできるだけ早く署名と承認を済ませ、今後数十年にわたるコミットメントを示すよう期待している」と続けた。
Ukrainian and U.S. teams are in the final stages of negotiations regarding the minerals agreement. The negotiations have been very constructive, with nearly all key details finalized. We are committed to completing this swiftly to proceed with its signature. We hope both US and…
— Olga Stefanishyna (@StefanishynaO) February 24, 2025
ただ、事情に詳しい関係者によると、ウクライナは米国による正式な安全保障の確約について、この選択肢を米国が拒んだにもかかわらず鉱物取引に文言を付け加えた。
ウォルツ米大統領補佐官(国家安全保障担当)は24日、FOXニュースに対し、「ウクライナに対する安全保障の確約は別の問題だ」と述べた。
原題:Ukraine, US Closing In on Deal Over Nation’s Mineral Resources(抜粋)