「熱湯チャレンジ」で9歳弟に重度のやけど負わせる、SNSの危険性に懸念 米

ランカスター郡区に住む12歳の少年がSNSで流行中の「熱湯チャレンジ」に参加し、9歳の弟に重度のやけどを負わせた/WGAL via CNN Newsource

ペンシルベニア州ランカスター郡(WGAL) 米ペンシルベニア州ランカスター郡区でこのほど、12歳の少年が流行中の「熱湯チャレンジ」に参加し、9歳の弟に重度のやけどを負わせる出来事があった。SNSの危険性を巡る議論が高まっている。

エリザベスタウン・カレッジのカーステン・ジョンソン教授(コミュニケーション学)は、若者が直面するチャレンジに参加しなければ、という同調圧力について説明した。

「本人は良い考えではないと思っていても、『なんだ、みんなやっているじゃないか。なぜ自分はここでやらないのか』と考えてしまう」(ジョンソン氏)

「熱湯チャレンジ」はインターネット上で急拡散しており、再生回数は数百万回に達する。状況を認識している保護者もいるが、多くの親は知らないという。

16歳の息子と8歳の娘を持つランカスター市のグレンダ・モンタネスさんはすでに、熱湯チャレンジについて娘と話し合った。

「予想もしていない人に熱湯をかける遊びだ」とモンタネスさんは説明。「娘はSNSをやっていないが、ユーチューブは見るので、もう注意した」と語る。

ジョンソン氏は、若者は大きな同調圧力にさらされていると指摘する。

「いいねがいくつもらえるか、投稿にどれだけ反応があるかと考えてしまう。それが仲間から認められる方法だと思っているから」(ジョンソン氏)

シカゴから出張で来ていた3児の父、マウリッシオ・グロッシさんは、SNSから子どもを完全に遮断する難しさを指摘した。

「親としては、拡散の抑制に貢献したいと思っている。それでも、子どもたちはこうした内容にさらされてしまう。さらされるというより、どっぷり漬かると言った方がいいかもしれない」と話す。

モンタネスさんは、チャレンジの実態について子どもたちと率直に話し合うことの重要性を強調した。

「SNSで見て面白そう、楽しいと捉えてしまうが、実際は違う。まったく逆だ。だから、こうした話し合いを持つことが非常に重要になる」(モンタネスさん)

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