太陽系で最も臭い惑星「天王星」腐った卵・おなら・おしっこ・ニンニク臭のオールスター感謝祭が開催(スペースチャンネル)

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天王星の表面で悪臭にもだえる宇宙飛行士 出典:スペースチャンネル

もしも人間が天王星に降り立ったら。最初に感じるのは、美しい青緑の惑星の姿…ではなく、鼻を突く“おならのようなニオイ”かもしれません。国際研究チームは、天王星の上層大気に「硫化水素」が含まれていることを世界で初めて確認しました。硫化水素は、あの「腐った卵のニオイ」の元となるガスであり、地球でも極めて不快な臭気として知られているのです。

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確定した「臭い」の正体:硫化水素

天王星の表面で悪臭にもだえる宇宙飛行士 出典:スペースチャンネル

天王星の大気に硫黄を含む化合物が存在する可能性は、これまでも議論されてきました。しかし、1980年代のNASA探査機「ボイジャー2号」の接近探査を含め、直接的な証拠は得られていませんでした。

今回の発見は、ハワイ・マウナケア山にあるジェミニ北望遠鏡を用いた観測によってもたらされました。研究チームは、太陽光が天王星の雲から反射される際の分光特性を詳細に分析し、上層大気中に明確な硫化水素の吸収線を検出したのです。これにより、もし不幸にも天王星に降り立つ人がいたとすれば、非常に臭くて不快な環境に直面することが確定しました。しかしご安心下さい。大気は-200度でほとんどが水素やヘリウム、メタンでできているため、臭いを感じる前にまず命が尽きるので、悪臭を心配せずに安心して降り立つことができます。

どれほど“臭い”のか?

悪臭のオールスター感謝祭 出典:スペースチャンネル

地球上でも、硫化水素は0.01~1.5ppm程度で腐った卵の臭いを感じ、3~5ppmで極めて不快に、30ppmでは吐き気を伴う甘い臭いに変化します。さらに、天王星の大気中にはアンモニアも含まれているとされており、これはツンとした「おしっこのニオイ」の原因物質。硫化水素とアンモニアの“ダブルパンチ”が、大気中に凝縮していると考えられています。

このほかにも、ニンニク臭を持つ可能性のあるホスフィンや、スカンクに似たエタンチオールなどもごく微量ながら存在している可能性があります。すなわち、天王星では「悪臭のオールスター感謝祭」が毎日絶賛開催中という訳です。

なぜ「天王星だけ」こんなに臭いのか?

天王星とリング 出典:NASA

木星や土星など他のガス巨星では、天王星のような硫化水素は確認されていません。これには、惑星の形成時の温度と位置が関係しているとされます。天王星がより冷たい領域で形成されたため、より揮発性の硫黄化合物を保持しやすかったと考えられています。

しかし、天王星の大気には酸素がほとんど存在せず、極寒かつ低圧の環境であるため、実際に臭いを確認することはできないでしょう。天王星の「ニオイ」を本当に確かめるには、大気サンプルを地球に持ち帰るしかありません。これは月ではすでに行われた手法ですが、天王星ははるかに遠く、まだ実現していません。

今後、NASAやESA(欧州宇宙機関)による探査ミッション「天王星探査機(Uranus Orbiter and Probe)」の実現が期待されています。見た目は美しく静かな青緑の惑星。もし将来あなたが天王星への着陸ミッションを任命されたとしたら、臭いを嗅ぐ勇気はありますか?みなさんからのコメントお待ちしています。

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