富士山さえぎる樹木伐採 中国人の男に執行猶予付き有罪判決 「非常に軽い」被害者憤り
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山梨県の河口湖でホテルを経営していた中国人の男が、他人の敷地の樹木23本を無断で伐採した事件で、甲府地方裁判所は18日、執行猶予付きの有罪判決を言い渡しました。被害を受けた会社の関係者は、番組の取材に対し軽い判決だと怒りをあらわにしています。
富士山さえぎる樹木伐採 判決は
報道陣の問いかけに答えることなく、足早に車に乗りこむ男。黒のスーツにマスクを着けて法廷に現れたのは、中国国籍の秋山雅治こと、郭亜川被告(53)です。
2020年、山梨県の河口湖にある「雲ノ上富士ホテル」をオープンした郭被告。“富士山を一望できるロケーション”にするため、隣接する他人の敷地の樹木23本を無断で伐採したり、除草剤で枯らしたりしたとして器物損壊の罪で起訴されました。
枯れた樹木は倒れる危険があるため、被害を受けた会社は、伐採を余儀なくされました。当時、被害を受けた会社が、樹木を伐採したのかどうか、郭被告を問い詰めると。
「(Q.相手の木を切っちゃいけないわけですよね)あなたが言っている件を私は知りません。いかなる質問にも答えられません」
事件への関与については語ろうとしなかった郭被告。
しかし、裁判では一転、起訴内容を認めました。
検察側は「大胆かつ悪質な犯行」として「懲役1年」を求刑。被告側は「罰金刑または執行猶予付きの判決」を求めていました。
そして迎えた18日の判決。
裁判所は「動機にくむべき事情はない」と指摘した一方で、郭被告が事実を認め、反省の態度を見せているなどとして、「懲役1年、執行猶予3年」の有罪判決を言い渡しました。
“執行猶予付きの判決”が下されたことについて、被害を受けた会社は…。
入管法では、外国人が1年を超える実刑判決を受けた場合、国外へ強制退去となりますが、執行猶予者は除かれます。
「雲ノ上富士ホテル」は現在、郭被告とは別の人物が経営していますが、ホテルの土地は、18日時点で郭被告が所有しています。
ずらりと並んだ、テーブルと椅子。今年に入り、ホテル側が伐採した樹木のそばに新設したテラス席です。
法廷では、大きく頷きながら判決を聞いていた郭被告。
番組の取材に、郭被告の弁護士は「特にコメントはない。控訴は予定していない」と答えています。
(「グッド!モーニング」2025年8月19日放送分より)