9条改正に野党の一部も賛同 改憲に前向き勢力の3分の2超が焦点

 8日投開票の衆院選(定数465)の各社の情勢調査で、与党の大幅な議席増が報じられる中、憲法改正に前向きな勢力の獲得議席が焦点となっている。与党は9条改正に意欲を見せ、野党も一部が賛同している。9条改正に前向きな勢力が3分の2(310)を超えるかどうかが選挙後の改憲議論を左右しそうだ。

 「憲法になぜ自衛隊を書いてはいけないのか。実力組織として位置づけるため、憲法改正をやらせてほしい」。高市早苗首相(自民党総裁)は2日、新潟県上越市での演説で、9条改正に意欲を示した。

 自民は9条改正について「自衛隊の明記」と公約に掲げる。日本維新の会は自民と内容に開きはあるものの、9条改正をめざす点で一致する。

 憲法改正案を国会で発議するには、衆参両院の総議員の3分の2以上の賛成が必要。参院で与党は少数だが、今回の衆院選で9条改正に前向きな勢力が衆院の3分の2(310)を超えれば、改憲勢力が勢いづく可能性がある。政権幹部は「少なくとも次の参院選までは発議はできないが、衆院で3分の2を取れば議論を進める」と語る。

 野党内の賛否は様々だ。公約で明確に9条改正を掲げているのは日本保守党の1党のみ。参政党は憲法を「創憲」すると党の政策に掲げている。憲法構想案は軍隊保持の明記としており、与党の考えに近いとみられる。

 また、国民民主党は公約で自衛権の行使の範囲などについて具体的な議論を進めるとしている。同党はこれまで、9条改正の論点を示しており、改憲議論には前向きな立場だ。

 一方、中道改革連合は公約で9条には直接言及していないが、「自衛隊の憲法上の位置づけなどの議論をふまえ、改憲論議を深化」すると盛り込んだ。与党の9条改正論に対しては「平和国家として歩んだ方向性と異なる」(斉藤鉄夫共同代表)などとして一線を画している。

 今回の公約で9条改正反対を明示したのは、共産党れいわ新選組社民党の3党だ。チームみらいと減税日本・ゆうこく連合は公約で平和主義を堅持するなどとしている。

 自民と維新は昨年11月、連立政権合意書にもとづいて、憲法改正条文起草協議会を開いた。与党としての9条と緊急事態条項についての条文案をまとめ、今後、国会の正式な場で各党に議論を呼びかける狙いだ。

憲法9条に関する各党の考え

【衆院選公約で改正を主張する政党】

自民 自衛隊の明記

維新 2項削除。国防軍および軍人の地位の明記

保守 2項削除。自衛のための実力組織保持明記

【公約で改正の賛否を示していない政党】

参政 自衛のための軍隊保持明記(党の憲法構想案)

国民 自衛権の行使の範囲など具体的に議論(衆院選公約)

中道 1項2項は変えない(野田佳彦共同代表の1月30日の発言)

減税ゆう 「平和主義」を守る(衆院選公約)

みらい 「平和主義」を堅持(衆院選公約)

【公約で改正反対を主張する政党】

・共産、れいわ、社民

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