武装した18歳を警官が射殺、翌日に父親が保安官代理をひき殺す 米
保安官代理が車にはねられた現場を調べる係官/WXIX
(CNN) 米オハイオ州シンシナティで、保安官代理が車にはねられて死亡した。この車を運転していた男の18歳の息子は前日に警官によって射殺されていた。
検察官は3日、父親の罪状認否で、「計算され、計画された方法で車を意図的に加速させ、勤務中の保安官代理を故意に死に至らしめた」と述べた。
検察は、加重殺人での起訴を求めている。
シンシナティ警察によれば、ロドニー・ヒントン容疑者(38)は、1日に警察に射殺された男性の父親だという。CNN提携局WCPOは、警察が2日夜に18歳のライアン・ヒントンさんの身元を明らかにしたと伝えた。
当局は容疑者と保安官代理の間に何らかの接点があったかどうか明らかにしていない。
ヒントン家の代理人によれば、ライアンさんは数週間前に18歳になったばかりだった。代理人は、ライアンさんが「楽しくて、愛情深く、良い子ども」だったとし、ライアンさんと警察との間に起きた出来事について、家族は驚いていると語った。
警察によれば、警官に撃たれた際のライアンさんは武装しており、盗難車から逃走していた。警察のボディーカメラの映像では、逃走中の男性が警官に銃を向けたかどうかは、はっきりとは分からない。
地元紙は家族の代理人の話として、家族が2日午前10~11時に映像を確認したが、父親は「非常に取り乱していた」と報じた。
代理人はCNNの取材に対し、公文書の開示請求を行い、追加情報を求めていると明らかにした。
警察によれば、保安官代理が死亡したのは、2日午後1時ごろだった。
裁判所は、ヒントン容疑者について、6日の審問まで保釈なしで勾留するよう指示した。
警察によれば、保安官代理は卒業式が行われていたシンシナティ大学付近で交通整理を行っていた際に車にはねられた。現場に派遣された警官や消防が保安官代理を大学の医療センターに搬送したが、その後、死亡が確認された。
警察は2日の記者会見で、警官がライアンさんと対峙(たいじ)した際の詳細について、発砲した警官のボディーカメラの映像を示しながら説明した。警官が現場に到着すると4人全員が逃走し、ライアンさんが拳銃を保持していた。
ボディーカメラの映像によれば、二つのごみ箱の間から出てきた男性に向けて警官のひとりが発砲した。発砲の直前に別の警官が「銃を持っている! 右側だ!」と叫ぶ声も捉えられていた。発砲した警官によれば、ライアンさんが自身に銃を向けたように見えたという。
記者会見で再生されたボディーカメラの映像には逃走中の男性が警官に銃を向けた様子ははっきりとは映っていない。警察も「非常にぼやけた映像」であることを認めた。警官が走った際にカメラが揺れたためだという。
警察はライアンさんが所持していたとされる拳銃を押収した。銃は発砲されていなかった。